郊外や地方都市に多いのがマイルドヤンキー妻。生まれ育った土地と仲間を愛し、進学や就職も地元で決めるなど、従来の“ヤンキー”のイメージとは違い、彼女たちは決して不良なわけではない。
「親も友達も、すぐ近くにいるほうが安心だと思うんです。わざわざ都会に行かなくても、近所のショッピングモールで事足りるから困らないですし」(26歳)
結婚相手は、中学や高校の同級生といったパターンが多いよう。そんなマイルドヤンキー夫婦の実態とは?
「いつの間にか付き合って結婚したって感じです。つるむ仲間は昔から変わってないですね」(24歳)
比較的、年齢層は若め。どこへ出かけるにも車移動のため、夫と自分で2台所有するのが普通。晩婚化も車離れも関係ないのかも。子どもの事を考え、最近2台目を購入したばかりというMさんに話を聞いてみた。
■2人目に備えてミニバン購入。友達の結婚式はまるで同窓会
Mさん(25) 結婚2年目
夫の職業/工場勤務(機械製造)
子ども1人(長女1歳)
「実は今朝、パパとケンカしてきたんです」
出会って半年で妊娠が発覚。できちゃった結婚をしたMさんは、夫との馴れ初めを語る。
「短大を卒業して、私が保育士3年目のときに友達から紹介されたのがパパでした。お互いに第一印象はよくなかったけど、ふたりでご飯を食べに行くようになってから、少しずつ好きになりました」
23歳、妊娠が発覚してからの結婚に、親からは大反対されたそう。
「母親は、安定した仕事に就いていなかったパパをあまりよく思っていなくて。それでも、私たちは好きだったからあきらめられなかった。最終的には、親が根負けしてくれたって感じです(笑い)」
現在では両親と一緒に旅行へ行くことも増え、関係は良好。初孫の娘をたくさん甘やかしてくれる“じぃじ”と“ばぁば”になった。
Mさんは埼玉県出身で、夫は群馬県出身。今は、ふたりの実家の中間地点でアパート暮らしをしている。間取りは2LDK、駐車場2台込みで家賃は4万8000円。
「住む場所は、“娘を近くに置いておきたい”という私の親の希望です。いつでも頼ってね、と全面的にサポートしてくれるし、週1くらいのペースで、私は実家に帰ってます。
距離は、車で40分くらいかな? パパのことでも娘のことでも、悩んだらすぐに報告するんです。やっぱり、いちばんの味方は母親だなぁって、結婚して自分が母親になって、初めて思いました」
この日、夫とケンカした理由とは?
「私がちょっと言いすぎちゃって……。いつも娘とふたりで過ごしてるから、家の中にしか世界がないって思っちゃうんです。仕事から帰ってきたパパについ強く当たってしまいました」
夫は、働いた日数分だけ給料が支払われるシステムの工場に勤めながら、家族のためにまた別の工場の派遣バイトをスタートさせたばかり。
Mさんは1か月の出費として、家賃や光熱費、携帯代などルーズリーフに細かくまとめている。収入は月によって大きく変わり、15万〜30万円ほど。
夫が毎日、仕事へ出かける姿がうらやましく見えると言い、10月からは娘を保育園に預けて保育士のパートを始めることを決めた。
「最近、2台目の車を買ったんです。2人目ができてもいいように、チャイルドシートのことなどを考えミニバンを買いました。私のお給料は娘の保育料と車のローンで消えちゃうので、決して家計にプラスにはならないんですけどね」
取材後、母親のところへ行くついでに……と駅まで車で送ってくれたMさんが最後にこう話した。
「友達の結婚ラッシュでご祝儀貧乏になっちゃいそう。みんな中学の同級生と結婚するんですよ〜(笑い)」