9月24日、右乳房の全摘出手術をした北斗晶。そのかたわらには夫・佐々木健介や2人の息子のほかに、彼女の実母や姉の姿もあったという。手術直後に埼玉に住む両親に話を聞いた。
「全然聞いてなかったんですよ。昨日の午前中、家族4人で線香をあげに来たんだけど、そのときに聞いたくらい。うちは“がん家系”じゃないから、驚いちゃってね」
北斗晶の父・宇野誠一さんは、娘の病気についてまだ信じられないといった様子で話し始めた。
9月23日、自らのブログで乳がんを公表した北斗。定期検診は受けていたものの、患部が発見しにくい場所で症状が進み、結果的には右の乳房を全摘出するという結果になってしまった。
埼玉県にある彼女の自宅近くの実家を記者が訪れたのは、手術が行われた9月24日。女子プロレス界のスターだった娘とは対照的に、小柄な誠一さんは心細そうに、こう語った。
「私は留守番なんです。妻と長女が病院に行きました」
こんなとき、男手は意外と役に立たないもの。それだけに、病気のことを直前まで隠しながら妻を支え続けた夫・佐々木健介には感心しているようだ。
「彼もそういうのを全然見せなかったからね。マメだし、本当によくやってくれているよ。久子(北斗の本名)もテレビでは口が悪かったりするけど、家では“健さん健さん”って、彼を立てているんだよ」
そして、こう続ける。
「あの子には、海外にもたくさん連れてってもらったよ。プロレスの大会で優勝したりすると副賞として海外旅行がもらえたりするじゃない。そうすると“私は忙しいから、ふたりで行ってきて”って。だから、中国や韓国や台湾といったアジア諸国からハワイ、ラスベガス、お母さんはエジプトにも行っていたよ」
娘の親孝行ぶりを語っているうち、母の松江さんが病院から戻ってきた。こちらも大柄ではないが、見るからに朗らかな雰囲気は北斗に通じるものがある。
「おかげさまで、先ほど無事に手術が終わりました。今はまだ薬が効いている状態なので、今夜までは話ができないみたい。個人差もあるので、いつ退院できるのかどうかはまだわからないんですけどね。やっぱり娘となると疲れますね……。手術室に行くときは、健介さんも息子たちも久子に顔をすり寄せて“頑張ってこいよ”って言っていました」
病院には、高2の長男と中1の次男も付き添っていた。
「長男は帰りがけに“パパ、ママのことをよろしくね”って言うのよ。そしたら健介さんが“大丈夫だ、ママはパパのママなんだから”って。思春期まっただ中なのに、こういうことが普通に言えるのはすごいなって思いました」
3姉妹の次女にあたる北斗は、姉と妹には入院の1週間ほど前に病気のことを伝えていたという。そこには、彼女ならではの繊細な気遣いが。
「“お母さんには絶対に言わないで”って釘を刺していたんですって。私は聞いてしまったら確実に動揺してしまうから、心配をかけたくなかったんでしょう。先週末にも、健介さんの実家へ家族で帰っていたんですが、がんのことは初めから言わずに、帰りがけにそっと伝えたみたい」