【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】妻である金子恵美衆院議員(新潟4区)の出産に際し、育児休暇取得を宣言していたものの、自身の不倫騒動を巡り、12日午前、議員辞職を表明した自民党の宮崎謙介衆院議員(京都3区)。今回の一連の騒動にかき消され、当初の育休についての議論が滞ってしまうことがないようにフィフィは念を押す。
不倫と育児休暇は別問題
今回の宮崎議員の不倫と、彼が取得しようとした育児休暇とは、当たり前ですがきちんと別問題として考えなくてはなりません。
しかし連日不倫報道が続いていることもあって、ひとこと言っておくと、コメンテーターの方々や業界の方たちが、妻である女性議員について、“不倫を許してあげるなんてデキた奥さんだ”と褒めていることにはやはり違和感を持ちました。
夫に不倫をされても「大目にみること」が良いことだと、不倫を肯定するかのような風潮がいまだに日本に少なからず残っているのだということに。
さて、この宮崎議員が取得を宣言していた、育児休暇。そもそも育児とは、自然に夫婦で助け合いながら行っていくべきもので、制度があるからやるというものではないはずです。
しかし、それは理想論。制度がなくては救われない人たちがいるわけです。
日本社会は、子育てをしている母親に対する理解に欠けるところがあります。
実際、私がかつて転職の面接を受けたときにも、「家庭と仕事の両立ができると思わないでくださいね」と上司になるであろう女性に言われたことがありました。もちろん採用の話はお断りしましたが、何かしらのルールがなければ、パワハラ的に会社側のやりたい放題になってしまう現実があります。
それは女性だけでなく、男性についても言えることです。
日本社会には、「家庭に参加するような男は弱い」「家庭を顧みずに働くことが美徳」といった古い価値観が存在します。
ちなみに海外には、こうした意識はありません。家族での時間を大切にしていますし、プライベートと仕事をしっかりと分けることが評価される社会なんです。
しかし日本においても、最近の若い人たちのなかには、家庭に積極的に参加したいという意識を持っている人たちも増えてきています。
そこで、制度が必要になるわけです。制度から入らなければ、古い価値観を持つ上司からの悪影響を断ち切ることができないこともあるんです。会社組織ではどうしても上下関係があるからね。
育児休暇制度を作ったとしても、果たしてそれを使える社会なのか
ただ、いくら制度があるといっても、実際に育休制度を実践できているのは、自ら「育休取得」を掲げている政府関係の役人や、人員が豊富でコンプライアンス遵守に敏感な一部の大企業くらいだと思いますよ。
世の大半の企業、あるいは、古い価値観を持った上司は、男性が家庭に参加することに対して本当の理解があるかどうか疑問です。
こういった現状を見る限り、社会がそれをうまく活用していけるとは残念ながら思えません。
育児休暇制度の必要性とその限界について述べてきましたが、私の場合、夫には育休を取ってもらわなくていいと思っています(笑い)。
人には向き不向きということがありますから、家事は私に任せて、それよりもどんどん外に出て稼ぎ、しっかりと収入源を確保して安心させて欲しいですね。
《構成・文/岸沙織》