カフェや古着屋が数多く集まる、東京・高円寺。6月下旬のとある週末は、ショッピングを楽しむのにちょうどよい気候だった。買い物に一段落ついて、喫茶店で小休止をとる若者の姿がチラホラ増えだした昼下がり。
「ア、ア、アー。(咳払い)アッ」
カフェ『P』から、こんな声が聞こえてきた。
「バスが通るような大きな通りに面したおしゃれなカフェの前を通ったら、“アーッ”と何度か聞こえて。マイクのテストをしているかのようでした。何かのイベントかな、と思ってテラス席を見たら、よくテレビで見かけるあの俳優さんが座っていたんです」(通行人の20代女性)
あの俳優というのは、誰もが1度は目にしたことがある名バイプレーヤー・佐藤二朗だ。
「'96年に自ら演劇ユニットを旗揚げし、多くの映画やドラマに出演しています。監督や脚本家としても才能を発揮し、7月にはツイッターをまとめた本も発売されますが、フォロワーが15万人を超える人気ぶり。作品で主役を務めることは少ないものの、色濃い存在感を放っている名俳優です」(芸能プロ関係者)
そんな彼がカフェのテラス席にいれば、多くの人が気づくに違いない。いったい何をしていたのだろうか。
「ドリンクを飲みながら、台本を読み込んでいました。ブツブツ言っていたかと思うと、突然“アーッ”というような声を発するので、お客さんたちはチラチラ佐藤さんのほうを見ていましたよ。
それでもまったく気にするそぶりも見せずに、台本読みに没頭していました。月に数回お見かけすることもありますが、いつもサラッと自然にいらっしゃるので、気がつかないことも」(常連客)
7月8日からはTBS系ドラマ『神の舌を持つ男』がスタート。今年中にはテレビ東京系の人気ドラマシリーズ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の続編にも出演する佐藤。多忙を極める中、スケジュールの合間を見つけて、カフェでくつろぎながらセリフを覚えていたのだ。
「実は佐藤さんは以前、高円寺に住んでいたんです。この街は朝まで営業している居酒屋がたくさんあるので、楽しそうにしている彼の姿を何度か見たことがありますよ。引っ越したあとも、たびたびいらっしゃっているみたいですね」(近所の住人)
そこまで愛着のある街から離れたのは、そのお酒の飲み方。当時は、週8回(!?)居酒屋に行き、朝9時に帰宅する日もあったという。“もう、この街にいてはいけない”と妻にカミナリを落とされて、引っ越しをすることに。
「今でも奥さんから“高円寺出禁”を言い渡されているそうです。高円寺に行ったら離婚とは言ったものの、たまにホームタウンで羽を伸ばすことについては、彼女も目をつぶっているみたいですね」(前出・芸能プロ関係者)