メタボというと中年オヤジのイメージだが、隠れメタボは女性が男性の1.4倍。全国の人数を推計すると、男性が380万人、女性は534万人。女性はダイエットに敏感で食事に気を遣っているのに、男性よりも154万人も多いとは驚きだ。

 このまま対策を行わなければ、隠れメタボの患者数は10年後には1014万人、20年後には1042万人に増えるとも予想されている。研究班は来年3月までには、隠れメタボの診断基準や生活習慣の改善の指導法をまとめるというけど、1年も待ってられない。ということで、和田先生に対策も聞いてみた。

 そもそも、おデブの代名詞のように言われる『メタボ』だが、本当の意味は《内蔵肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患を招きやすい病態》(厚労省HPより)とのこと。命にかかわる重大な病気を引き起こすトリガーなのだ。

「メタボと関係が深いのは、肥満だけではなく、遺伝と加齢なども起因しています」

 遺伝の可能性が高い人というのは?

「親や兄弟姉妹に高血圧、高血糖、脂質異常症、動脈硬化症の人がいたら注意してください」

 心臓病や脳卒中にかかった人がいないかどうかもチェック。遺伝的な要因は、遺伝子検査でも知ることができるという。さらに、加齢にも注意という。

「40歳を過ぎると男女ともに血圧、空腹時血糖、中性脂肪の数値が上昇していきます」

 肥満は年齢とともに多いと思いきや、そうでもない。

「男性の肥満者は50歳以降減少、女性は横ばいになっています」

 加齢による高血圧の原因というのは、血管の弾力が失われることだとか。

「加齢に伴い、コレステロールが血管内腔にたまりやすくなり、血管を硬くします。血液を送るのに高い圧力が必要となり、高血圧を引き起こします」