高血糖と加齢は、インスリンの分泌が問題になる。
「加齢によって、血糖値を下げるインスリンの分泌が少なくなります。食後に血糖代謝が悪くなり、血糖値が上昇傾向にあるのです」
脂質異常は、加齢とともに身体活動量が減少し、脂質の消費が減るからだと考えられている。また、加齢に続く危険因子は、なんと“やせ”だとも。
「女性も男性も、死亡リスクは肥満よりもやせのほうが多いことをご存じですか?」
厚労省の大規模調査によると、『BMI』が標準値の人と比べると、太っていてもやせていても死亡率は高い。しかも、肥満よりも“やせ”の値のほうが死亡率は高いのだ。
BMIとは体格を表した指標で、「22」が標準値。この調査では標準の死亡率を1.0として肥満とやせを比較。女性の場合、肥満は1.37だったが、やせは1.61。男性も同様で、肥満は1.37、やせは1.78と、やせのほうが高くなっている。
「60歳以上で、やせ型の人は要注意です」
やせていれば安心どころか、むしろ危険ということ。
最近は「モデルBMI」「美容BMI」などといわれ、女性が美しい体形を目指すならBMI「19」というのが注目されているが、近年は低体重は不健康であることがわかり、イタリアではBMI「18」未満のモデルはファッションショーに出演禁止になっている。
早く死にたくなければ「美容BMI」未満にならないように注意したほうがいい。ただ、これまでの「メタボ対策はダイエット」という常識が覆された今、これからは何をすればいいの?
「まずは健康診断を受けて、自分の数値を知ることから始めましょう。専業主婦など、職場の健康診断がない人は、自主的に健康診断を受けましょう」
肥満でなくても高血圧、高血糖、脂質異常の2項目以上の異常が見つかったら、あなたも隠れメタボ。異常があれば、まずは医師の診断を受けることが先決だが、生活の中でもできる対策はあるという。
「対策のひとつは減塩。高血圧予防になります。禁煙も脂質異常の対策になります」