テレビ局やネットや街頭での呼びかけなど、国民の良心である募金活動が行われている。しかし同じ募金でも種類が違うのはナゼなのか?
国内外にサポートの手を差しのべる『公益財団法人日本財団』によると、支援金というのは、集めたお金をNPOやボランティア組織などの活動に配分するものだという。今後は復興期を迎えるであろう被災地で、長期的な活動を継続していくための資金として賄われる。
「義援金とは直接、被災者の手元にお金が渡るものをいいます。財団では家屋の損害が半壊、あるいは全壊の方に対して義援金というかたちをとっております」(日本財団)
震災の際によく耳にする『日本赤十字社』や、『赤い羽根共同募金』を運営する『社会福祉法人 中央共同募金会』などが運用するのが義援金だ。熊本県や熊本市、被害の大きかった益城町や南阿蘇村などの各自治体も募っている。いわば被災者への“お見舞い金”とも言えるもの。
「義援金というのは、被災地のすべての方が受け取れるわけではなく、例えば、家屋の損害に関しては全壊の方だけだったり、あるいは家族が亡くなった方であるとか、各団体で振り分けが異なってきます。限られた予算の中でどういった分配にするか、調査も行い組織の中で話し合って決められますので、手元に渡るのに時間がかかることがあります」(日本財団)
東日本大震災では、義援金こそ迅速に集められたものの、赤十字社から各被災者に届けられるのに半年から1年を要したとも。今回の熊本地震における義援金も、同様の事態が予想される。
それでも被災者にとって、国民の良心は希望である。それを手助けしているのが、各企業による募金受付だ。
例えばテレビ局なら、フジテレビは『サザエさん』、テレビ朝日なら『ドラえもん』と、身近な存在を“広告塔”にすることによって、募金をしやすくしているのだろう。
募った“良心”はそれぞれがしかるべき機関に送金、義援金や支援金として被災地のために使われるようだ。一方で、その良心につけ込んだ、募金と称した詐欺も横行している。
「団体等の状況を確認して、納得したうえで義援金を寄付しましょう。口座振替の際には名義を確認、不審に思ったときは消費者センターや警察にご相談を、などのアドバイスをしています」(消費者庁)
ネットや街頭などで行われている募金なども、怪しいと思ったら同様に相談することをすすめている。本当に被災者のためになる募金なのか自分で判断することも必要だ。
「自分が募金したいのは義援金なのか支援金なのか。望んだとおりに被災者に届いているのか。役立っているのか。善意であるからこそ、責任のある募金がしたいですね」(前出・全国紙記者)
《主な『義援金』受付先、方法、期間》
●内閣府 各種口座、郵便局にて6月30日
●日本赤十字社 各種口座、郵便局など6月30日
●社会福祉法人中央共同募金会 各種口座にて6月30日
●熊本県 各種口座、義援金箱など6月30日
(問/熊本県 福祉のまちづくり室 TEL096-333-2202)
●熊本市 各種口座、義援金箱など6月30日
(問/熊本市 健康福祉政策課 TEL096-328-2340)
●益城町 各種口座にて6月30日
(問/益城町 会計課 TEL096-286-3111[代表])
●南阿蘇村 各種口座、持参にて
(問/南阿蘇村 会計係 TEL0967-62-9196)
※5月7日現在