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 青天の霹靂といえる天皇陛下“生前退位”のご意向報道。でも、これによって何がどう変わるの?

 そんな素朴な疑問を皇室の専門家に聞いてみた。

■両陛下の呼び方はどう変わるの?

 “生前退位”が実現するとなれば、皇室内にもさまざまな影響が起こるはず。皇太子さまが天皇に即位された場合、現在の両陛下の呼び名はどうなるのだろうか。静岡福祉大学教授で皇室に詳しい小田部雄二さんによると、

「美智子さまは'00年に崩御した良子皇太后のように皇太后になります。しかし、天皇陛下は近代になってから例がないのですが、“上皇”と呼ばれます。正式には“太上天皇”といいます」

■退位したら両陛下とは会えないの?

 天皇・皇后両陛下の大事な仕事である公務。国民とも交流される貴重な機会だけに、今後のご活動が気になる。退位されたら、公務へのご参加はもうしないのだろうか。

「そんなことはないです。憲法で定められている国事行為でなければ、おふたりが参加されても問題ありません。体力的に問題なく、日程が合えば、一般参賀などにもお手伝いに行かれると思いますよ」(前出・小田部氏)

■皇太子さまが即位後の秋篠宮家は?

 皇太子さまが天皇に即位された場合、秋篠宮家の待遇に変化はあるのだろうか。

「今の皇室典範だと天皇の長男でないと皇太子にはなれないので、秋篠宮さまは皇太子にはなりません。現在は“皇太弟”の規定もないのですが、議論によっては、秋篠宮さまがそうなる可能性も出てくると思います」(京都産業大学名誉教授・所功さん)

■女性宮家や女系天皇の可能性は?

 皇族人数の減少や皇位継承者がゼロになるのを防ぐため、女性皇族が結婚後も皇籍にとどまる“女性宮家”。父方が天皇家出身ではない子どもが天皇になる“女系天皇”の制度が以前から取りざたされてきた。今後、皇室典範の内容を改正して、女性宮家や女系天皇が認められることはあるのだろうか。

「確かにこのままだと皇族がいなくなってしまう可能性があります。しかし今回の生前退位の話と一緒にしてしまうと複雑になり、こじれてしまうでしょうね。すぐに皇室典範をいろいろと変えるのは難しいと思います」(小田部氏)

■皇室の予算が変わる可能性はある?

 皇室の予算の中で、私的な利用を目的とするものがある。両陛下と東宮(皇太子)家が“内廷費”で、宮家は“皇族費”と呼ばれるのだが、その額にはかなりの差があるという。

「皇太子さまが天皇になっても、秋篠宮家が次の東宮家になるとは限らず内廷費を受け取られるかどうかはわかりません。

 しかし、秋篠宮家には皇位継承権を持つ悠仁さまもいて、現在の皇族費だけでは苦しいとも言われているので、今後の議論の対象になりえます。今の両陛下は退位されると上皇・皇太后で今までどおり内廷費を受け取られると思われます」(宮内庁関係者)

■退位されたら元号は変わるの?

「陛下が崩御されなくても、天皇が代われば元号は変わることになりますよ。数年以内に退位されるご意向ならば、そのタイミングで元号が変わります」(宮内庁関係者)

 大正、昭和、平成と移り変わってきた元号。昭和から平成になる際は、故・小渕恵三内閣官房長官(当時)が発表し、新時代の象徴とされた。天皇が代わるとすれば、次はどんな元号なのだろうか。

■“皇后雅子さま”の公務は?

 皇太子さまが天皇に即位すれば、雅子さまは皇后となる。しかし10年以上、“適応障害”により長期療養されている雅子さま。多忙な公務をこなされるのは可能なのか。

「最近は体調も回復され、問題ないと思いますよ。むしろ体調がよくなっているからこそ、このタイミングで“生前退位”の話が出てきたという見方もできます。実際に、皇后の仕事はやってみないとわからないですし、われわれも見守るスタンスというのがよいと思いますよ」(前出・小田部氏)