3つめの4回転ジャンプとなるループにチャレンジすることについて、元フィギュアスケート選手で解説者の佐野稔氏はこう分析する。
「4回転ループを入れるのは、そろそろだと思っていましたよ。昨年のエキシビションでは4回転ループを跳んでいましたからね。それに、金博洋は3種類の4回転を入れていますし、宇野昌磨クンは難しい4回転フリップを跳んでいる。
そのあたりを見据えてのことでしょう。平昌オリンピックでは3種類の4回転を跳べば、金メダルは楽にいけるなと。構成点はこれ以上、点数が伸びる余地がない。
羽生クンはほとんど完璧なくらい、構成点の点数を出していますからね。そうなると、技術点を伸ばすしかないんです。昨シーズンのプログラムでは330点台を出したけど、それが上限に近い点数。それを打ち破るには、やはり技術点を上げるしかない」
今季初戦は、10月1日(日本時間)からスタートするオータムクラシック(カナダ・モントリオール)を予定している。だが、今年の羽生は、ここまで決して順調ではなかった。4月には『左足リスフラン関節じん帯損傷』であることを公表。全治2か月の診断を受けていた。
「足の甲の真ん中あたりにある関節で、5本の指の骨と足の甲とをつなぎとめる役割のじん帯です。このじん帯に体重が乗るつま先立ちの状態で長くいると、損傷する人が多いのです。早期なら経過のよい疾患ですが、場合によっては手術が必要になります」(スケート連盟関係者)