「今シーズンはオリンピックのプレシーズンなので、今季から試していってモノにするというのが、金メダルをとるためのオーソドックスな戦い方だと思います。
ソチでも4回転を2種類入れているんですが、サルコウで転倒しても、“すごいぞ”っていうものも見せつけて、金メダルをとりました。昨シーズンはその2種類の4回転は完璧にできたので、ループは試し打ちじゃないけど、来シーズンに向けて固めていきたいですね」(前出・佐野氏)
来シーズンのオリンピックへ、新たなチャレンジをスタートさせたゆづクン。だが、今季のプログラムには、重大な秘密が隠されているという。
「なぜ4回転ループを跳ぶ決断をしたかというと、それは彼の足の状態が思わしくないからですよ。つま先をつくとケガをした足に差し障りがあるから、つかなくてもよいループジャンプ─それも、難易度の高い4回転を入れてきた。
今季のプログラムはつま先を使わない4回転サルコウを2回とループ。より負担のかかる4回転トゥループは1回に抑えている。これこそ、彼にしかできない思い切ったチャレンジだと思いますよ」(別のスケート連盟関係者)
ケガを抱えながらも、絶対王者としての道を歩み続ける羽生。自分を超える戦いが、始まろうとしている。