地方別「ミニお遍路」巡礼ガイド
“ミニお遍路”ができるお寺はまだまだあった! 手軽にできて、スリルあり、癒しあり、もちろんご利益ありのおすすめスポットを、地方ごとに週刊女性が厳選しました。
【玉川大師】(東京都・世田谷区)
うす暗く狭い通路に、300体もの石仏がズラリ。閑静な住宅街の一角に突如現れる大きなお寺・玉川大師の地下には、そんな不思議な光景が待っている。
八十八か所巡礼は、初代住職が「東京でも八十八か所巡りができる場所を」と1934年に作ったという。灯明料100円を納め本堂から続く階段を下りると、そこは暗闇。一番霊場、二番霊場、と八十八番まで彫られた石仏が並び、目を凝らし手探りで巡礼していく。
「中でも自分の数え年(現在の年齢+1歳)の弘法大師さまを拝むと、その先1年間、災難や厄から守ってくださるといわれています」
とは、住職の真保龍言さん。ほかにも、ポイントとなる場所が。
「巡礼の通路を進んでいるうちに、本当に真っ暗で完全に視界が奪われる場所があるのですが、そこには弘法大師さまのための仏具(金剛杵=こんごうしょ)が壁に掛けられているんです」
これを探し当てて触れると、願い事が成就し、幸福が訪れるのだとか。
「ところが、これは不思議な場所で、触りたいという気持ちが強すぎると見つけられない。無の境地に達していないと触れないのです」
そんな霊場に、毎日のように訪れる人もいる。
「地下霊場での巡礼は、自分の心と向き合う、いい機会になるのではないでしょうか。少しでも癒されていただけるとよいな、と思っております。気持ちを浄化するつもりで、石仏さまと向かい合ってほしいですね」
と、真保さんは語気を強めた。
【円山】(北海道・札幌市)
札幌市中央区にある標高225メートルの山で、北海道初の動物園である円山動物園や広大なグラウンド、北海道神宮などの観光スポットと隣接。一帯は円山公園として市民の憩いの場。休日は多くのファミリーの笑い声が響く。
円山八十八か所は、円山地区を開墾した開拓者たちの中心人物・上田万平によって1914年に開創。88の石仏が建立されたが、その後の寄進によって個体数が続々増加。今では200体を超える大所帯に! 札所はふもとの八十八か所大師堂から始まり、山頂まで続く。
約1kmの登山道の脇に立つカツラ、シナノキなどの木々は開拓時代から保護され、国の天然記念物に指定されている原始林だ。道中はリスの生息地で、道すがら出会える確率大。山頂までは30分から40分ほどで頂上から一望する札幌市街は絶景!
手軽なハイキング感覚のミニお遍路、気の合う仲間とお試しあれ♪