「会話だけでなく、お礼状やお誘いのお手紙なども、役者さんではなくて奥さんが用意しますから、手紙の書き方なども常識として身につけていなければなりません。便箋や切手の選び方など、相手が気づかないようなこまやかな配慮も大事なのです」
贔屓筋があってこそ、夫が立てる舞台があるのだ。その夫が不始末を起こすことだってある。9月に発覚した中村橋之助(現・芝翫)の不倫騒動では、妻の三田寛子の会見が話題になった。
「芝翫襲名直前の大事な時期に起こった騒動ということで、彼女にとっては試練だったでしょう。女性としては思うところもあるでしょうが、公の場では彼女は叱責しませんでした。夫を立ててご贔屓筋への謝罪をしたうえで、厳しい目で見守るという“梨園の妻”としての役目をキッチリこなしたのです」
歌舞伎役者の色恋は過去にもあり、扇千景は、「女にモテない男なんてつまらない」と語り、騒動を一蹴。
恋多き男として数々の浮名を流した故・中村勘三郎さんの妻・好江さんも、「浮気はダメ、浮体はいい」という勘三郎さんの言葉を「それは素晴らしい」と容認していたという。
「女遊びは芸の肥やしというのは、演じるうえでの色気を身につけるのが必要ということ。女形であれば、色恋から所作を学ぶこともあります。
紀香さんは陣内さんとの離婚理由で、彼の浮気が耐えられなかったという報道もありましたから、“愛之助に色恋が出たときに耐えられるのか”という疑問の声もあります」
とはいえ、会見では紀香も色恋については容認するような発言をしていた。