阿蘇山の中岳第1火口からもうもうと噴き上がる煙=10月8日、共同通信ヘリから空撮
阿蘇山の中岳第1火口からもうもうと噴き上がる煙=10月8日、共同通信ヘリから空撮
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「噴煙の高さが1万メートルを超えると…」

 ここ約1年を振り返っても、九州では口永良部島、桜島が爆発的噴火をしている。気象庁は8日の爆発的噴火で阿蘇山の警戒レベルを5段階の2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、会見した同庁担当者は「噴煙が1万メートルを超える噴火は非常に珍しい。今後、同程度の噴火が起こる可能性もある」と話した。

 高橋教授は「巨大噴火につながった場合は大変な事態を招きます」と指摘する。

噴煙の高さが1万メートルを超えると、火山灰は大気圏を突き抜けて成層圏まで飛びます。雨にまじって落ちてくることはなくなり、地球全体を覆う“パラソル効果”によって太陽の光を遮り、寒冷化をもたらします。地球全体の気温は2〜5度低くなる。アジアでは中国の北部や北朝鮮、北海道や東北地方で農作物の収穫に影響します。食料自給率の低い日本と韓国は大ピンチです」(高橋教授)

 阿蘇山は昨年9月も噴火しているが、噴煙の高さは2000メートルにすぎなかった。今回の噴煙は成層圏まで届いたとも考えられ、さらなる爆発的噴火が続いた場合は深刻な状況を招きかねない。