「自分自身がイヤになるときもある」
“変わりたい”とつぶやく彼。これまでも自身の転機に影響を与えた作品があるという。
「朝ドラがそうだし、大河(昨年の『花燃ゆ』)もそうだった。自分が落ち込んでいたり、苦しいときにNHKから長いスパンで取り組める作品のオファーをいただけるんです。
常に自分がやりたいことをできるわけではないし、自分自身がイヤになるときもありますが、不思議とそのタイミングでお話をいただくんです。すごくそれで自分が救われているんです。言ってしまうと『べっぴんさん』に入る前もなんとなく苦しくて……。だから、この作品で自分がちょっとでも変われたら、と思っています」
今回演じている潔という役は、戦争でつぶされてしまった会社を再興しようと奮闘する。闇市で商売を始め事業に才覚を発揮するが、これまで高良が演じてきたキャラクターとは雰囲気が違うように見える。
「とにかく僕はアウトサイダー的な役が多かったですから。自分もそこに引っ張られてきたということもあります。潔は人のいいところを見ることができる人物。自分はもちろん、人を信じる強さが真ん中にあるんです。だからどんなに苦しく迷っていても、前向きな言葉をちゃんとしゃべることができる。僕自身もそういう気持ちになってきています」
潔はゆりと結婚したが、すみれの初恋の相手でもある。女性たちが潔に惹かれる部分はどんなところだと思う?
「愚直に、誠実に生きているところだと思います。目の前にいる人に一生懸命ぶつかれて、手を抜かないところじゃないですか。僕もそんな部分を最後まで変えずにやりたいと思っています」