古舘プロジェクト所属の鮫肌文殊、山名宏和、樋口卓治という3人の現役バリバリの放送作家が、日々の仕事の中で見聞きした今旬なタレントから裏方まで、TV業界の偉人、怪人、変人の皆さんを毎回1人ピックアップ。勝手に称えまくって表彰していきます。第8回は山名宏和が担当します。
出川哲朗 様
今回、僕が勝手に表彰するのは出川哲朗さんである。
かつては「嫌いな男ランキング」殿堂入りも果たした出川さんだが、今ではすっかり子どもたちの人気者である。この大逆転は、芸能界仰天ニュースの1つと言えるだろう。
だが、以前からも芸能界には出川さんを支持する声は多数あった。たけしさん、さんまさん、ダウンタウン、大物芸人たちがこぞって出川さんを高く評価していた。島田紳助さんも「あいつは出るべきところと引っ込むべきところをちゃんとわかっている」と言っていたそうだ。
番組スタッフにも出川ファンは多い。その理由は、常に期待に応えてくれるその仕事ぶりもさることながら、実は出川さんの人柄によるところが大きい。
オンエアが終わった後、担当ディレクターに会うと、出川さんは番組の感想を言ってくれるのだが、その言い方がいい。
「あそこの編集、良かったよ~!」
面白かったというだけなら、極端な話、見ていなくても言うことができる。しかし編集については、番組を見ていなければ指摘することはできない。しかも単に「面白い」と言ってしまうと、出演している自分の活躍もそこに含まれてしまうが、編集は確実にディレクターの手柄だ。そこを褒められるというのは、ディレクターとしてはかなり嬉しいはずだ。