1972年に歌手デビューしたりりィさんは、'74年に自ら作詞作曲した『私は泣いています』が100万枚の大ヒットとなり一躍、時の人に。

 父親が朝鮮戦争に従軍したアメリカ空軍の将校で、りりィさんはハーフ。ミステリアスな美貌で、女優としても大島渚監督の『夏の妹』や松田優作主演の『処刑遊戯』などに出演した。

 結婚・出産のため芸能界を離れたが、豊川悦司の母親を演じたドラマ『青い鳥』('97年)以降、コンスタントに活動。『3年B組金八先生』で上戸彩が演じた性同一性障害の生徒の母親役で記憶している人も多いかもしれない。

 プライベートでは2度結婚し、2度離婚。ミュージシャンの齊藤洋士と15年以上にわたるパートナーシップを結び『りりィ+洋士』というユニットで、全国のライブハウスを回っていた。

「情の深いいいやつでした。いつも自然体で、歌うことが大好き。50過ぎから、すごく地に足のついた生活を送っていた」と、40年来の友人。

 葬儀はごく内輪でとり行う。「そのうち、みんなで集まって、私を肴にワイワイ騒いでほしい」というのが故人の遺志だったという。