事故の傷痕が癒えない現場では今、朝7時台に警察官6人が、児童や行き交う車に交通安全の注意喚起をしている。
先月28日には、神奈川県横浜市港南区で、87歳の男性が運転する軽トラックが痛ましい事故を起こした。
停車中の軽自動車に衝突した反動で集団登校中の児童の列に突っ込み……、小学1年生の田代優くん(6)が死亡し、7人が重軽傷を負った。
現場に居合わせた70代の男性が伝える。
「優! 優! って、お母さんが叫んでいてね。お父さんも駆けつけて“優、しっかりしろ!”って呼びかけて……。子ども2人が倒れた軽トラの下敷きになって、近くにいた人が車体を起こして助けていました。
ケガをした子どもは、毛布にくるまって近くの駐車場に座っていたけど、ひとりの子はゲーゲー吐いてしまってね。本当に気の毒で……。亡くなった子のことを考えると孫と重なって、夜も眠れません」
容疑者は、事故前日の早朝から丸一昼夜、運転し続けていた疑いがあり「ゴミを捨てようと家を出たが、帰れなくなった」と供述している。
現在は、横浜地裁に鑑定留置が認められ、認知症かどうか、事故当時の精神状態などを調べている状態。3か月で結論が出るという。
港南区で登下校の見守り活動をしている80代の男性は、
「私たちがいくら頑張ったって、車が突っ込んできたらどうにもできないよね。こうして毎日、現場で手を合わせているけど、不憫でね」
と声を震わせる。
運転中に『ポケモンGO』で遊んでいたばかりに、2人が死傷した事故では、先月31日、徳島地裁が、運転手に対し禁固刑の実刑判決を出した。