小学校4年生の娘の友達はませているようで、本屋やレンタルビデオ店のアダルトコーナーに娘を連れて行くそう。親としてどうすべき?

「まずは、“話してくれてありがとう”と、娘を認めてあげましょう。そのうえで、“あなたはそういう所に行くのはいいと思う?”と聞いてあげてください」(やまがたさん)

 親に相談するくらいだから、娘も実はよくないこと、嫌なことだと思っているはず。

「“行きたくない”と娘が言うなら、それを相手に伝えるようにアドバイスをしましょう。“行きたい”という場合は、“ママはまだ、早いと思うよ”と、押しつけではなく“お母さんの考え”として伝えてください」(同)

 ちなみに、その年齢で部屋にアダルトな品があった場合、何らかの満たされない思いがあるはず。心のすき間を埋める、親子のコミュニケーションを心がけてみて。

小学校4年生の娘が、大事なところを触ってこっそり自慰行為をしているようです。放っておくべきでしょうか?

「セルフプレジャー、つまりは自慰行為ですが、決して悪いことではありません。自分の身体を愛してあげるのは、むしろいいことなんです。ですので娘に“やめなさい!”と言う必要はありません」(やまがたさん)

 ただし、道具は刺激が強すぎて将来の性生活に影響するので使わない、汚い手で身体に触らない、人前ではしない、などのルールは伝えるべき。

「親の口から直接、伝えるにはハードルが高いと思います。思春期用の性の本はたくさん出ているので、本屋さんで適切なものを買い、渡してあげるのはいかがですか?」(同)

子どもに性の話をする際の注意ポイント

■小学校低学年:幼児性が残る年代。触れ合いがなによりの教育

 小学校低学年だからこそ、性に対してストレートな質問をしがち。

「この年齢なら、性は神秘的なものであるという伝え方で十分。例えば、“赤ちゃんはどこから来るの?”という質問に、“男の人と女の人が、裸で抱き合うと生まれるの”と答えるような感じです」(おおたさん)

 この時期、男の子はおっぱい、お尻といった言葉に反応しやすい。

「男の子は発達がゆっくりで、幼児性が残っている子が多いので、エッチな言葉を言うのも成長の過程とみてスルーを。女の子はもうちょっと大人っぽくて、“〇〇くんが好き”なんて言いだしますが、性的な行動はまだまだ先です。男女とも、たくさんスキンシップをして安心感を育てましょう」(やまがたさん)

■小学校高学年:性教育には理科的知識が。女の子は心身ともに変化

 小学校高学年になったら、性教育に理科的な知識を取り入れてあげよう。

「理屈はわかる年齢です。同じ“赤ちゃんはどこから来るの?”という質問でも、生理、排卵、受精の仕組みなどから説明してあげましょう」(おおたさん)

 この時期、基本的に男の子の心身はさほど変化しないが、女の子は大きく変わる。

「生理が始まり、お尻が大きくなったり体毛が生えたりと、大人の女性への変化が一気に進みます。これを素敵なことだと思えるようなサポートをしてあげましょう」(やまがたさん)

「健康なことなんだよ」「きちんと育ってるね」など、身体の変化をおおらかに受け止めてあげ、子どもの自己肯定感を高めてあげる心がけが必要だ。

※中学生編は本日14時に公開します。


〈話をきいた人〉
◎おおたとしまささん
育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー。教育熱心なあまり子どもをつぶす親の特徴など、独自の視点で取材を行い、書籍やコラムを執筆。講演やメディア出演も多数。
〈オススメ著書〉お母さんにはわかりにくい思春期男子の心、身体、悩ましい行動などへの具体的な対策が満載の『「思春期男子」の見守り方』(PHP文庫)

◎やまがたてるえさん
看護学校卒業と同時に助産師学校へ入学。その後、総合病院、産婦人科クリニック、総合医療クリニックに勤務。現在は地域の育児支援活動に参加し、育児相談などを行う。
〈オススメ著書〉大きく変わる思春期女子の心と身体などをマンガでやさしく解説。『15歳までの女の子に伝えたい自分の体と心の守り方』(かんき出版)。13歳以下向けもあり。