紀香にあって熊切にない“メリット”とは?
紀香にあって、熊切にないもの、それが“メリット”です。それでは“メリット”とは何かというと、「男性にはできないこと、かつ男性の人生に利点となること」です。
たとえば、歌舞伎の世界は知名度や集客力のある俳優にいい役がつくそうです。集客力があるとは、チケットをたくさんさばけることと言い換えることができるでしょう。
歌舞伎俳優と後援会の関係が密なことはよく知られていますが、それは後援会の人たちが、折々にご祝儀を包んでくれ、高価なチケットを大量購入してくれるから。歌舞伎俳優にとって、経済力のある支援者をより多く得られるかどうかは、俳優生命がかかっていると言っても過言ではありません。
市川海老蔵や中村芝翫の母のように、資産家の家庭に育った女性が梨園妻になるパターンはよく見受けられますが、これは経済力のある妻をもらえば、自分を支援してもらえるという“メリット”を見越しての判断ではないでしょうか。
紀香と熊切では、おそらく紀香のほうが経済力は上でしょうから、愛之助にとって、紀香のほうが“メリット”のある存在となります。紀香の事務所関係者には、芸能界に影響力があると言われている人物もいますが、紀香の人脈を使えば、こういう人に支援者になってもらえる可能性もあります。
それでは、もう一人の熊切の熱愛相手、ヤクルトスワローズの山田哲人選手に“メリット”を与えられるのは、どういう女性でしょう?
山田選手は、メジャーリーグでも珍しい、日本プロ野球史上初の2年連続トリプルスリー(同一シーズンに打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30個以上)を達成した“日本球界の宝”とも言われる名選手です。
今のところメジャーに挑戦する気持ちはないそうですが、気持ちが変わるかもしれないとも発言しています。となると、熊切のように尽くすタイプよりも、海外での生活に抵抗がない、英語が堪能な女子アナのような女性のほうが、山田選手にとっては“メリット”があるということです。
“メリット”を先読みできるようになると、自分に足りない“メリット”を補強したり、“メリット”を与えられない相手とはそもそも交際しないなど、婚活そのものの時間を短縮することができます。「彼は自分との結婚を考えているのだろうか」と不安になって、彼に当たり散らすこともなくなるはずです。
『モシモノふたり』において、熊切は頻繁にボディタッチをして、男性陣をメロメロにしていましたが、婚活はモテ競争ではありません。家事一切を無料で引きうける便利なオンナ選手権でもありません。
攻撃は最大の防御と言いますが、メリットを素早く見つけて、ゆったりした気持ちで婚活を乗り切ってください。
次回は、婚活に必要な要素、“自信”と“メリット”の相関関係についてお話しします。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、Twitterで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。2016年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。