そして、配慮する際のポイントとしては、“自虐”という点があげられると思います。3月から始まった『お前はまだグンマを知らない』(日本テレビ 関東エリアのみで放送)という、コミック原作のドラマが面白いのですが、ここでは、群馬の人たちが自虐している面があるんです。

 当事者たちが自虐で使っているかどうか、それを売りにしてるかということは重要ですよね。きりたんぽを作っている方たちは、決してその形状を自虐しているわけではありませんから、アウトなわけです。

「ストレートに言ってしまえばいい」

 では、どんなネーミングならふさわしかったのかという話なんですけどね。きりたんぽに限らず、ウィンナーとかソーセージとかチョコバナナとか、連想させるものはむかしから色々とあるわけですが、どれもそれを販売する側からしたら嫌ですよね。

 最近では、『夫のちんぽが入らない』というタイトルの書籍も売れているみたいですし、下手に安っぽく何かに例えるくらいなら、ストレートに言ってしまえばいいんじゃないかな。あえてストレートに言って、隠さないことの何が悪いのかといった議論の方がまだ面白いですよね。

 いずれにせよ、今回のようなケースのなかには、あえて炎上を狙っての場合もあります。きりたんぽ問題も意図的であったかどうかは別として、結果的には宣伝に成功しているのが何とも皮肉ですよね。

《構成・文/岸沙織》