ようやく光が見えてきたのは、子ども向けライブを始めて4年ほどたってからのこと。今ではライブが終了しても「帰りたくないー!」という声があちこちから聞こえてくる。お母さんからは「うちの子が明るくなったんです!」など、お便りをもらうことも。
「うれしいですよね〜。やってよかった! って思える瞬間ですね」
そして、
「子どもだからといって手や気を抜くことはありません。むしろ、子どもだからこそ失敗は許されない。子どもとの出会いも一期一会。そのときの密度を大事にしています」
子どもと接するようになって、いろいろと見えてきたこともある。それは、自身の生い立ち、両親のこと、これからのこと。そして、子どもの心をつかむ小島流メソッド。
例えば、「子どもには成功例をたくさん見せる」「子どもの答えを否定しない」「子どもは基本、ツッコミが好き」「ハダカになって心を解放する」「親の夢を押しつけない」「ありがとう、ごめんなさいは早く言う」など。
身体を鍛え続けているのも、ある意味、その一環。「子どもにとって初めてのヒーローはお父さん。お父さん自身“カッコいいお父さんでいたい”って思うでしょ? 僕も子どものヒーローとして、カッコいい姿を見せていたい」
カッコいいとは、なにも容姿だけの話ではない。物事をよく知っている、いつも笑っている、話をよく聞いてくれるなど。それは、お父さんに限らず、お母さんも同じ。
でも、運動神経もよくないし、子どもと接するのは苦手だという人は、どうすればいい?
「風船遊びでいいんですよ」
風船でキャッチボールをしたりリフティングしたり。そんな簡単なことで十分。踊るのもいいけれど、それもジャンプしたり、しゃがんだり、手を上げ下げしたり、と単純なこと。子どもと一緒に遊ぶのに難しいことはNG。
「単純明快、シンプルがいちばん。その究極が“変顔”。子どもは変顔が大好きです」
たしかに、ちょっとした恥ずかしさはあるものの、家の中で、子どもの前だけなら、やってもいいかも。
「心を“ハダカ”にするのが大事ですよ、僕はいつもハダカですけど」
そんな小島の夢は「アンパンマン」になること。
「アンパンマンは永遠の子どもたちのヒーロー。少しでも近づいて、子どもたちともっとライブを楽しみたい!」
実際あるイベントでは、1日目がアンパンマン、2日目が小島、というキャスティングもあったそう。まぎれもなく子どもたちにとっては“超有名人”“超ヒーロー”。10年ものの一発屋は、子どもたちの憧れの存在なのだ。