《大隅半島沖の地震、桜島の噴火再開など、盛んに地震や火山の噴火が目立ち始めています。約50日前、福岡県博多近辺でM(マグニチュード)3~4の地震が頻発したのをご存じですか? 連休明け、特に5月13日前後に博多・北九州周辺で大規模地震が起きる可能性があります》

 立命館大学・歴史都市防災研究所の高橋学教授からそんなメールが届いたのはGW(ゴールデンウイーク)中の4月30日だった。

 高橋教授はかつて『週刊女性』で比較的大きな地震噴火を予測し、的中させてきた実績を持つ。直近では、昨年12月28日の茨城県北部地震(M6・3、最大震度6弱)、今年2月19日の千葉県北東部地震(M5・4、最大震度4)を言い当てた。

 連休返上で取材に応じた高橋教授は、「博多近辺で地震が集中するのは珍しいんです」と前置きして話す。

「2005年3月にM7・0で最大震度6弱の福岡県西方沖地震が起きています。それまで地震がほとんどなかったため、地元の人たちは“九州にも大地震がくるのか”と驚きました。このとき地震を引き起こしたのが総延長約55kmの警固断層の北西部で、同じ断層の南東部はまだ動いていません。この静かな南東部がいよいよ近日中に動いて大地震を招くのではないかとみています」(高橋教授)

 警固断層は玄界灘から博多湾を経て福岡県の内陸部まで延びる。後半に掲載した地図では、断層の延長線上を含めて博多を通る一本の線で示した。

 高橋教授は、

「地表から断層は見えませんが、博多の街のど真ん中を貫いています。つまり、警固断層の南東部が動くと、博多を内陸直下型地震が襲うことになる。下からドーンと突き上げます。海中で起きる海溝型地震とは異なり、内陸直下型地震は揺れが1秒周期と短く地表の建物は倒壊しやすくなります。そもそも海に近い博多周辺は地盤がゆるいので十分な警戒が必要でしょう」

 と指摘した。

 昨年11月、福岡市博多区のJR博多駅前の道路が突然陥没し、巨大な穴がポッカリあいたのは記憶に新しい。陥没事故について国の専門家委員会が今年3月にまとめた報告書は、「事故前に地質を正確に把握することは困難だった」と見解を示した。

 工事・発注ミスの有無とは別に、現場の岩盤層がデコボコで地下水の水圧に対する安全対策が不十分だったとしている。実際に穴には地下水がしみ出てたまった。博多では、ほかにも'08年に中洲の遊歩道が約100mにわたって陥没するなど、地盤の脆弱さを示す事例が起きている。

「博多周辺はもともと、日本三景の『天橋立』のような細長い砂嘴をいくつも並べたような“櫛形”の地形で、櫛の間の海を埋め立てて人が住むようになりました。東京の湾岸部も同じですが、非常に地盤がゆるいところなので地震によって大ダメージを受けやすいんです」(高橋教授)

 さて、なぜ、大地震が発生するのは5月13日前後と限定的にいえるのか。