「動物が好きすぎて、中学生のころは獣医とか動物に携わる仕事もいいなって思っていました。もともと犬派だったんですが、この作品の影響でも好きになって、いま本気でを飼おうか悩んでいるところです」

 “×忍者”をテーマに描いた異色の時代劇『忍』(5月20日[土]全国ロードショー)で単独初主演を果たした大野拓朗(28)。“相棒役”の・金時は役者デビューを果たしたばかりの“新人”だが、その完璧な演技にはずいぶんと驚かされたとか。

「まさに奇跡を呼ぶですね(笑)。いつもは静かなのに、鳴いてほしいところで鳴いてくれたり。もう、台本読んでるんじゃないかってくらい“芝居感”が出ていました」

(c)2017「猫忍」製作委員会
(c)2017「猫忍」製作委員会

 朝ドラ『とと姉ちゃん』をはじめ、昨年は“世界でいちばん好き”というミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にも出演。幅広い活躍を見せる大野だが、デビューから3年間は“しんどかった”と振り返る。

「演技経験がなくていきなりプロの中に飛び込んで、周りにも追いつけないし、自分の思うようにいかないことが多くて、当時は毎日悩んでいました。でも3年たったら流れが一気に変わって、頭がスッキリしたんです。“就職したら3年は続けろ”ってよく聞くじゃないですか。それをまさに体感しました」

 それは決して思い込みではなく、あの大先輩からもありがたい言葉をいただいたそう。

「デビュー作の映画『インシテミル〜7日間のデス・ゲーム〜』でご一緒させていただいた北大路欣也さんと『三匹のおっさん』で3年ぶりに共演して。そのときに“人間は短い間にこんなにも成長するのか”って言っていただいて、すごく自信につながりました」

 転機になった作品は?

「ミュージカル『エリザベート』で5か月間同じ芝居をする経験をして、“気持ちで芝居する”ということを学びました。そのあと『三匹のおっさん』で北大路さん含め、周りの方に少し認めてもらえるようになって、さらに舞台『ヴェニスの商人』で(演出の)蜷川(幸雄)さんにしごいていただきました。この3本のおかげで、一気に役者として変われた気がします」

 昨年は初の悪役にも挑戦し、新境地も。今後、挑戦してみたい役は?

「今いちばん興味があるのはコメディーです。僕、人に笑顔を与えたりとか、日々の活力を与えたいと思ってこの仕事をしているので。自分がしたことで見た人に笑顔になってもらえたら、すごくうれしいです!」