『ジュリエッタ』
スペインのマドリードで暮らすジュリエッタ。ある日、偶然再会した知人から「あなたの娘を見かけた」と告げられ衝撃を受ける。ひとり娘のアンティアは12年前に理由も語らず突然、姿を消してしまったのだ。ジュリエッタは心の奥に封印していた過去と向き合う……。
今年の第70回カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めたスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督。カナダのノーベル賞作家アリス・マンローの、同じ主人公が登場する3つの短編を自身が脚本化してひとつの作品にまとめ、母親のドラマに仕立てた。代表作『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール〈帰郷〉』が“女性賛歌3部作”と呼ばれるように、“女性”“母と子”の物語は彼の変わらぬテーマであり、その集大成ともいわれる本作もまたエモーシャルなヒューマンドラマ。
娘が生きがいだった母親がさまざまな出来事に翻弄され、それでも人生は続く……。主人公役に2人の女優を起用し、“現在”をスペインのベテラン女優エマ・スアレスが、また“過去”を新進女優アドリアーナ・ウガルテが演じている。スタイリッシュな衣装や美しい色彩の組み合わせによるアルモドバルならではの映像美も堪能。ちなみに邦題は『ジュリエッタ』だけどスペイン語では『フリエッタ』となるそうですよ。
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル/出演エマ・スアレス、アドリアーナ・ウガルテ、ダニエル・グラオ、インマ・クエスタほか
『MERU/メルー』
ガンジス川を見下ろすインド北部のヒマラヤ山脈、メルー中央峰にそびえる“シャークスフィン”のダイレクトルートは難攻不落の岩壁。2008年10月、コンラッド・アンカーほか3人はメルー峰に挑むためインドに到着した……。登山家で写真家のジミー・チンが監督を務めた山岳ドキュメンタリー。監督:ジミー・チン/出演:コンラッド・アンカー、ジミー・チンほか。