「今回の役のことを妻に話したら、“子どもに見せて恥ずかしくないものにしなさい”って言われました。“子どもがそれを理由に、あとで恥をかくようなことだけは絶対しないで”って」

 NHKの朝ドラ『あさが来た』の五代さまブーム以来、爽やかな笑顔で女性たちを虜(とりこ)にしてきたディーン・フジオカ(36)が、映画『結婚』(6月24日[土]より全国ロードショー)で結婚詐欺師に――! ずるくて、悪くて、ウソつきで。それでも女たちから愛される、ミステリアスかつ色気にあふれる男を演じている。

「“結婚詐欺師”か、どうしたもんかなぁと(笑)。犯罪者ですからね。でも、そういう生き方を選ばざるをえなかった過去が彼にはあって、そもそも彼には女性に対して倒錯した思いがある。男の子にとって初めての女性、母性というものが母親で、そこの関係をつかみきれないまま大人になってしまった、いわゆる“複雑骨折”みたいな感覚だと思うんです。

 “関わりたくはないけど、なんだか放っておけない”そんなキャラクターになったらいいなって思いながら演じました」

(c)2017『結婚』製作委員会
(c)2017『結婚』製作委員会

 劇中ではセクシーで濃厚なラブシーンも。仕上がりが自分の想像を超えていたようで“ちょっと家族に見せるのはしんどいかな(笑)”とディーン。

「撮ってるときはもう“演技”としてとらえていて、でも、いざ編集されて音がついて見ると……やっぱり自分では見たくないものですね」

 でも、すごく色っぽくて、キレイ!

「そう言っていただけると心がやすらぎます(笑)。色気といっても、いろんな色気があると思っていて。何も欠けていない色気もあれば、キズがあるから美しいという色気もある。

 僕にも過去には肌をもっと露出した出演作がありますが……そういうのは、もう20歳くらいの男の子がやったほうがいいのかなって」

 いやいや、大人にしか出せない色気、大人だから出せる色気もあるかと。

「じゃあ、もっと研究しておきます(笑)」

 ディーン自身が魅力的だと思う女性は?

「優しい人って、やっぱり素敵だと思います。といっても、決して柔らかい物腰でいることだけが優しさだとは思わなくて。ときに強く言わなくてはならない優しさもあると思います。優しさ=すべてを肯定するのではなく、例えば弱い立場にいる人、困っている人たちに何かしらシンパシーを感じること、関心を持つことが大切なのかなと思います」