SNSで公開する個人情報に注意
高齢者のイメージが強い詐欺被害だが、主婦を狙ったものも意外と多い。悪徳商法の被害者心理に詳しい立正大学の西田公昭教授は、
「それにもかかわらず、危機管理が甘いといえます。SNSなどで自分やペットの名前、誕生日などを書き込み、個人情報を気軽に公開している人は多いですが、実に危ない。最近の詐欺師は、家族構成や趣味、悩みなどをリサーチしたうえで、その人向けのストーリーをつくってピンポイントで狙ってきます」
さらに、SNSのパスワードを自分の誕生日といったパーソナルデータと関連させたものに設定していると、推測されてしまう可能性が。
「同じパスワードを使い回している人は、さらに危険度が上がります。パスワードは10ケタ以上の英数字を組み合わせ、2か所以上で使い回さないこと。よく“いくつも覚えていられないから”と言う人がいますが、そもそも覚えようとしないほうがいい。古典的ですが、紙にまとめ、それを保存しておくくらいの用心深さが必要でしょう」(三上さん)
パスワードが漏れてしまえば、LINEやツイッターが乗っ取られ、連絡先や写真データを抜き取られたり、友人・知人に偽のトークを送られたりして、やはり詐欺の片棒を担いでしまいかねない。
1 雇い主や荷物の詳細が不明
2 身分証明証の写メを撮影
3 労働量に見合わぬ高収入
<教えてくれたひと>
多田文明さん◎詐欺・悪徳商法評論家。キャッチセールスやあらゆる詐欺商法に精通。近著に『迷惑メール、返事をしたらこうなった。詐欺&悪徳商法「実体験」ルポ』 (文庫ぎんが堂)
三上洋さん◎ITジャーナリスト。セキュリティー(詐欺、ネット事件などへの安全対策)などを専門とし読売オンライン「サイバー護身術」での連載ほかテレビ出演多数
西田公昭さん◎立正大学心理学部教授。専門は社会心理学で詐欺・悪徳商法研究の第一人者として各メディアで活躍。著書に『だましの手口』(PHP研究所)など