婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした男女の婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆきます。今回は、『結婚したいのにできない女性の恋愛事情』です。

写真はイメージです

ステイタスのある堅物か、スマートな軟派系か

 会員の安住順子さん(35歳、仮名)は、結婚相談所でお見合いもしながらも、婚活アプリにも登録をして、婚活を続けています。2つの場所で活動しているのは、“お相手に出会える機会をより多く持ったほうが良い”と思っているからです。

 そんな順子さんですが、つい最近まで、相談所でお見合いした大手企業に勤める幸田真一さん(41歳、仮名)、婚活アプリで知り合ったメーカーに勤める大野雅治さん(38歳、仮名)とお付き合いしていいました。それぞれの男性とデートをした後、その報告をしてきました。

 まずは幸田さんについては、こんなことを言いました。

「幸田さんが連れて行ってくださったお店は、落ち着いた大人の雰囲気の和食屋さんでした。お料理もサービスも素晴らしかった。ただ、ご本人の言動がどうもデリカシーに欠けるというか。

 カウンター席だったのですが、私がお手洗いに行くので席を立とうとしたら、奥で調理している板前さんに、すごい大きな声で、『トイレどこですかー?』と聞いたんです。店中の人に、これから私がトイレに行くことが知れ渡ってしまって、ちょっと恥ずかしかった」

 そして、大野さんについては、こんなことを言いました。

「大野さんとは、カジュアルなイタリアンに行きました。そんなに高くないお店でしたし、支払いも6、4の女子割でした。でも、話題が豊富な方なので話していて楽しいし、私の話もよく聞いてくれた。

 女性のエスコートの仕方もスマートなんですね。ただ、女性に手慣れている感じもするので、そこはこちらも冷静になって、お付き合いを進めていこうと思っています」

 そこからまた2人の男性とデートを重ねていったようですが、会うごとに、お見合いした幸田さんの評価は下がり、アプリで出会った大野さんの評価は上がっていきました。

「幸田さんは今住んでいらっしゃる家を購入されていて、さらにもう一軒買えるだけの貯金があるそうです。すごいですよね。ただお話ししていても会話が広がらないんです。しゃくし定規な話しかしないし、上司を接待しているような気持ちになります。

 それに比べて大野さんとは、自然体でいられていい感じです。そんなに貯金はないと言っていたけれど、私も頑張って働けばいいし、一緒に生活するなら断然、大野さんの方が楽しいと思います」

 そして、幸田さんには、“交際終了”を出しました。