2年後のことではあるが、『嵐』の活動休止が決まったことで、早くも再開の時期や“ポスト嵐”の話が出ている。
そして、嵐がお休みしている間、その穴を埋めるのは、そして、後を継いでジャニーズの大黒柱となるのは、どのグループなのか。
嵐の後にデビューしたグループは『NEWS』から『King & Prince』まで、派生グループを除いて9グループだが、“予備軍”のジャニーズJr.でも現在10グループ以上が存在している。
彼らが、これから熾(し)烈な“跡目争い”を繰り広げることになりそうだが、実はジャニーズ内で地殻変動が起きているようなのだ。
“幼稚に見えてしまう”ステージ
ジャニーズといえば、若い男の子たちのグループが、ダンスしながら歌う、躍動感にあふれたショーを見せるのが基本だ。それは、ジャニーズ事務所が最初に送り出したグループ『ジャニーズ』から半世紀のあいだ変わっていない。ファンもそのスタイルを支持してきた。
ところが、最近こんな声が聞かれるようになった。
「彼らのステージを見ていると、古臭い感じがするんですよ。ひと昔前の歌や踊りって感じで、幼稚に見えるんです」
コンサートを見に行った20代の女性の意見だ。
同様の意見はジャニーズ内部にもあるという。
「右も左もわからない小学生が、ジャニーズに入り、歌やダンスのレッスンを受けていても、何も思わないでしょう。ですが、成長するにつれ、ほかのアーティストのステージを見る余裕ができると、自分たちがやろうとしている“ショー”が稚拙なものに感じてしまうようです。それは10代後半でジャニーズ入りした人たちも同じです」(元Jr.)
“歌って踊る”がジャニーズの独擅場だった時代は、とうに過ぎた。
いまでは国内だけではなく、韓国にもいくつものグループが誕生している。ファンもJr.たちも、そういったほかのグループを見て、どうしても比較するものだ。
バック転などアクロバティックなダンス主体のパフォーマンスに、満足しない大人のファンもいる。Jr.たちにとっても、LDHやK-POPのパフォーマンスは“今風”で洗練されて見えているのだろう。それゆえ目指すものが、昔と変わってきたようだ。
「Jr.のなかにはジャニーズの先輩たちではなく、元NEWSのメンバーだったTaka率いるバンド『ONE OK ROCK』や『EXILE TRIBE』に憧れる人も出てきています」(元Jr.)
当然だが、内部で反発も生まれる。伝統的な“ジャニーズ”でいいのか、それとも新しい“ジャニーズ”を目指すのか。さて、滝沢秀明はどちらに向かう?
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。