数々の話題作を世に送り出している作家の三浦しをんさんが、ファッション雑誌『BAILA』に2014年から連載する、日常の出来事を綴ったエッセイ『のっけから失礼します』。

変わらないアホぶりだな(笑)

「5年前に声をかけていただいて始めたものが、ようやく一冊になりました。連載の依頼をいただいたとき、日常系のエッセイを連載するのは5年弱ぶりくらいだったので、30代は日常のことってあまり書いていなかったんですね。

 でも今回、単行本にまとめるにあたって、5年分の原稿を読み返してみたら『私の30代、なんだったんだろう……』と、ちょっと遠い目になるくらい、コンスタントにエッセイを出していた若いころとあんまり変わらないアホぶりだなと思いました(笑)」

 ちなみに「のっけから」というタイトルは、連載が雑誌の最初に掲載されていることがその理由だそう。

内容の縛りはなく、題材もなんでもいいという依頼だったので、それならよかった、と。毎回おしゃれな服について書く、とかだと困ってしまうんですけど、そういうのは、ほかに専門の方が書いているページがあるので、私は冒頭から箸休めみたいなことを書いています(笑)」

 頻繁に道を聞かれたり、タクシーに乗ると運転手に話しかけられがちで、ぎっくり腰になりかけ、体形の変化にびっくりし、痛む親知らずに悩まされるといったありふれた日常も、三浦さんの手にかかると爆笑必至のエッセイに。

 ゆえに電車の中などで読むと、こらえ切れずに「ブフッ!」と吹き出してしまうので、ぜひともご注意を!