『しげログ』は商品プロデューサーとして活躍し、海外のファッション・流行などをナビゲートしているしげるちゃんが毎回「会いたい人」と「好きなお店」で対談! ゲストの“素”を引き出しちゃいます。第3回目のゲストはタレントのGENKINGさん。仲良しかつLGBTの“当事者”でもあるふたりが! いろいろなことを語り尽くします! それでは……カンパーイ!!

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しげるちゃん(以下・しげる)「さてやって参りました。『しげるの部屋』へようこそ(笑)!」

田中沙奈(以下・沙奈)「よろしくお願いします(笑)」

しげる「早速だけど……。“GENKING”っていう名前の由来は単純に、沙奈ちゃんの元の名前が元輝だったからGENKINGなの?」

沙奈「そうそう、もともとデビュー前にインスタが有名になってきたんだけど、インスタを始める時に。“名前どうしよう?”と思って。でも本名(田中元輝)も嫌だしな、みたいな。で中学校の時に英語の授業を思い出して、“あ、ing付ければいっか”みたいなそういう軽いノリで」

しげる「(笑)でも、それから“ing”をつけるの流行ったかも。デビュー前には、もう、うちらは出会ってたよね?」

沙奈「そうそう。私はただの一般人だったのにしげるちゃんは有名人で、お会いしたときはミーハー心で仲良くなりたい! みたいな。でもそういう方と遊べば遊ぶほど自分の立ち位置が芸能人ではないから悲しいなと。だから頑張って芸能人になろうと思ったってのはあるかな」

しげる「やめて~、、有名人とかじゃないから(笑)それにしても『行列のできる法律相談所』('15年)がテレビ出演一発目だったというのはすごいことじゃない?」

沙奈「オンエアが始まるとスマホが“ブー!ブー!!ブー!!!”って鳴り始めて。テレビ見た友だちかな? って思ったの。で、パッって見たらもう(通知が)うわ~って鳴ってて!!で、“テレビヤバ~!”って。こんな凄いんだって思いました」

男から女になる過程を見せるために生まれてきたのかも

しげる「『行列~』でいきなり(性同一性障害であることを)カミングアウトしたじゃない? 親御さんとか周囲に言わないで、テレビでいきなり言ったってこと?」

沙奈「そう。親はもちろん、友達にも限られた人しか言ってなかった。だからテレビを観た人から嫌なコメントが来たら怖いなって思ったの。“オカマ野郎”とか。でも0件。全部見返したんだけど0件。そこで初めて“あ、時代が変わってる”って思ったわけ

しげる「公共の電波で、カミングアウトするって、(生き方を)犠牲にすることも多々あると思うんだけど、そんな覚悟は出来てたってことね?」

沙奈「絶対芸能人になりたかったから。もう人生を賭けて言ったのよ。何十年生きてきたなかでいちばん勇気を出して言ったかな。自分の中で欠点だったりとかマイナスだった点が長所に変わった瞬間でもあると思う。

 逆にいうと、こういう性で生まれてなかったら芸能界とかこんなに出てないし。2年間もあんなにテレビに出ていられたのは私の特殊な性別がプラスに作用したと思います

しげる「そうだね~!、しげるも、最初にテレビに出た時は“その特殊なキャラを知らない人が見たら、どう受け止めるんだろう?”って、めちゃくちゃ気になったかも。でも、沙奈ちゃんが言うように結果、“マイナスだった点が長所にもなるんだ”と認識できた」

沙奈「人生に起こりうるいいこと嫌なこと、全て物事には意味があって。こうやって女の子になれたのも芸能人になれたのも男から女になる過程を全部見せられたのも、見せるために生まれて来たんだなと思いました。

 だって私、芸能人にならなかったら性転換できてなかったと思うんですよ。費用がめちゃくちゃ高いから。だって当時私フリーターだったんだけど、フリーターの給料で東京住んでたら絶対手術代が貯められないんじゃないですか

しげる「貯まるころにはいくつになってんだろう、って話だよね!」

沙奈「今までは“はぁ〜、女に生まれたかったな”としか思ってなかったです。なぜかって言うと俗にいう『ニューハーフ』って言われてる人とか『オカマ』っ言われてる人とかへの憧れがちょっと自分のなかで持てなかったんです。それよりは私はちゃんと女になりたかった。でも私は身長も高いし骨格も男っぽかったから“これでニューハーフになったところで街を歩いても馬鹿にされるんだわ”って思ったの」

しげる「目立ちすぎてね」

沙奈「そう。で、“男が抜けないんだな”って思ってて。でもデビューしてからニューハーフのお店に連れていってもらって衝撃を受けました。めっちゃキレイだったの、そこに居る子たちが。みんな体も女になってて。顔も本当にキレイで、体のラインもめちゃめちゃ細くて。“え?なんでそんな細いの?”って言ってたら『ウエストニッパー』っていうのがあって。コルセットみたいな矯正器具をずっと着けて寝てる」

しげる「すごいね!」

沙奈「女の子は胸にヌーブラ入れると思うけど、ニューハーフたちは『腰パッド』っていう、腰のラインをよりキレイに見せるためのパッドを入れるんですって。そうするとクビレがボンキュッボンッ! ってなるんです。なるほどな、みたいな。それを見ちゃったものだから、“私もなりたい!”って思ってたら“アンタなんか女性ホルモン始めたらすぐ綺麗になるよ!”て言われて。“何それ?”って聞いたら“女性ホルモン打つと顔も変わるのよ”って。で、若干骨格も変わってくるらしいの

しげる「それで女性ホルモンを始めたわけか~」

沙奈「そうしたらやりたかったことがどんどん出てきました。“私は女になりたい! 女に戻りたい!”みたいな。その時、事務所にも入っていたので、相談したんですけど、ダメだって言われて。それでケンカになって。もともとユニセックスキャラでやっていたので女性になってしまうと事務所は困ると。でも私は結婚したかったので。同性婚ってよりはきちんと戸籍も女になって普通に結婚したかったんです。なので事務所に内緒で手術をしに行ったの