「早朝や夕方に、ときどき荷物を取りに戻っていますが、すぐにどこかへ消えてしまいます」
いじめ事件の加害教員の近隣を取材すると、彼らが今も逃げていることがわかる。
まだ終息していない「いじめ暴力事件」
“女帝”として事件を主導したとされる女性教員のマンションは真っ暗で人の気配もなかったが、年末にポストからあふれていた郵便物は、きれいに片づけられていた。
昨年10月に神戸市立東須磨小学校で発覚した、教員間いじめ暴力事件。30〜40代の先輩教員4人が、20代の後輩教員に激辛カレーを無理やり食べさせたり、熱湯入りのやかんを顔面に押しつけたことなどが次々に判明し、市民の怒りを買った。
処分は決まっておらず、事件は今も終息していない。
そんなさなかに起きた不幸な事件。
2月9日、市教育委員会総務課の男性係長が、兵庫県芦屋市の東灘芦屋大橋から飛び降り、命を絶った。市の防災に携わる市長部局から昨年4月、同課に出向してきたばかりだった。
「教育委員会の会議を運営する業務で、教育委員との連絡調整や準備、ほかにも防災に携わる業務を担当していました。いじめ事件は、会議で報告する案件のひとつでしたが、(いじめ事件や加害教員との接点は)まったくありません」
と、神戸市教委の担当者は明かす。さらに、
「教育委員からも彼だけでなく、事務局全体に対して“きちんと報告しろ”などとお叱りを受けることはありましたし、職員たちに対しても社会の厳しい目が向けられている実感はありました。
彼は非常にまじめで責任感が強かった。時間外の超過勤務も昨年の10月~11月ごろは特に多かったのは事実です。確かにしんどそうな面はありましたが同僚とも仲よくやっていたし、そこまで落ち込んでいたようには見えませんでした」
と直近の様子を伝える。