目次
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ー 三菱UFJ信託銀行は吉田容疑者について
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ー ひとり身の高齢者を狙った手口
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ー 2年間にわたって社内調査が続けられている

 

 担当する顧客の預金口座から現金500万円をだまし取ったとして、警視庁中野署は7月3日、三菱UFJ信託銀行の元職員・吉田美江容疑者(60)を詐欺の疑いで逮捕した。

「信託銀行の発表によると、吉田容疑者は2002年から東京・吉祥寺支店で勤務しており、2013年からは中野支店勤務に。2007年5月から2020年12月にわたって、顧客から不正に入手した払戻請求書を利用して着服していた。被害に遭った顧客は14人で、その被害額は9750万円にのぼります。着服した金は、生活費として使っていたようです」(全国紙社会部記者)

 この事件発覚の経緯について、同信託銀行女性職員は、こんな噂があると話す。

吉田容疑者の不正発覚と同時期に、中野支店で30代の男性職員も着服していたことが判明したのです。その男性職員は、お客様の対応をする窓口で、堂々と機械から現金を引き出していた。防犯カメラにも男性職員が犯行に及ぶ姿が写っていたそうです。これをきっかけに社内調査が行われ、吉田容疑者の着服も発覚したのだろうと職員の間では囁かれています。私たちも世間に公表される直前に不祥事の詳細を知ったのですが、13年間も行われていた不正が急に発覚するとは思えなくって」

 しかし、同銀行の発表では、男性職員の不正発覚は2021年12月。一方、吉田容疑者の不正発覚は、社内調査によって2021年11月に明らかになったとされる。

「男性職員の着服が発覚して調査をしたら、長年にわたって見落としていた不正が発覚したとはさすがに発表できなかったのでは」(同・女性職員)

三菱UFJ信託銀行は吉田容疑者について

 事実確認のため、三菱UFJ信託銀行の広報に話を聞いた。

「吉田容疑者の不正は、中野支店で伝票チェックをしていた際に不審な点が見つかったため、店内の防犯カメラを確認すると、吉田容疑者が受領した現金をカバンに入れている姿が写っていた。そこで吉田容疑者に聞き取りをしたら、着服を認めたのです。その不正の社内調査及び公表を行う準備の中で、お客様からの訴えによって男性職員の着服も発覚しました。そのため発覚時期が逆だったということはありません」(広報室担当者)

 噂はあくまで噂のよう。同時期に同じ支店から2件の不正が発覚したことで、銀行内でも動揺が広がったのだろう。

 男性職員が約2年間で顧客2人の預金口座から着服したのは442万円。その一方、吉田容疑者は13年間にわたって着服した金額は、約1億円と大きな差がある。そんな吉田容疑者の手口とは?