昨年7月、参院選比例代表で当選を果たした水道橋博士。だが、うつ病であることを公表し11月から休職、今年1月には辞職した。職にとどまる間はSNSで“給料泥棒”といった非難の声もあったが、精神疾患は誰にでも起こりうる。厚生労働省によると、2022年にはうつ病・躁うつ病患者数は150万人を超え、増加の一途。完全復活とはいえない状況ながら、同じ病に苦しむ人の励みになればと現在の心境を告白する。
このまま引退したいという気持ちもあった
「だいぶ調子は良くなりました。ただ全快ではなく、言葉が出るまで時間がかかったり、声量にしてもまだ違和感が残っています。でも少しでもいい、できることからやっていこうと思って。仕事をしたいと思うこと、それ自体も回復のひとつですから」
と言うのは、お笑いタレントで元参議院議員の水道橋博士(61)。うつ病により活動を休止していたが、7月上旬、自身の公式YouTubeチャンネルを10か月ぶりに更新し、復帰を宣言した。だがそこには葛藤もあったよう。
「正直、このまま引退したいという気持ちもありました。でも3人の子どもたちはまだ就学中なので、生活のこともある。他に何か自分にできることはないかと転職も模索したけど、やはり難しかった」
と胸のうちを打ち明ける。
昨年7月にれいわ新選組から立候補し、見事初当選を果たした。しかしほどなくしてうつ病を発症。11月に入ると議員活動を休止し、今年1月に議員を正式に辞職している。病気の引き金はやはり議員という肩書の重圧だったのか。
「すべてにおいて自分は素人すぎた。法律的な知識はなく、議員活動の下準備も不十分で、各種委員会へ向けて何をすべきかうろたえた。松井前大阪市長との名誉毀損の裁判も抱えていて……。もともと徹夜で勉強してでも追いつこうとするタイプの人間だったけど、60歳にもなると知力を体力でカバーすることができなくなってきた。
もう昔のようにはできないんだ、という老いの不安が広がっていった。議員の資格が自分にあるのだろうかと、自分で自分を追い詰めていく状態で、今回はこれまでになく深刻でした」