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ー NHK『100カメ』でも取り上げられた人気の文化祭

 東京都世田谷区にある筑波大学付属駒場中学校・高等学校、通称『筑駒』。国立の中学・高等学校では唯一の男子校で、毎年数多くの学生を東京大学に輩出する国内有数の名門校として知られる。

2023年の合格実績を見ると、卒業生のうち45%ほどが現役で東大に合格しており、これは国内トップクラスの実績。制服がない私服登校で、頭髪の色も自由。“授業中にガムを噛まないくらいしか校則がない”と言われるほど自由な校風で、生徒たちは学業に勤しんでいます」(受験ライター、以下同)

NHK『100カメ』でも取り上げられた人気の文化祭

 政治家、官僚、裁判官、学者など、日本を担う逸材が卒業生に名を連ねる筑駒。勉学に励むだけでなく、年に一度の文化祭にも、そうとう力が入っているという。

例年、10月から11月にかけて、3日間の日程で文化祭が開催されていますが、その準備のために1年かけるそうです。受験を控えた高校3年生が中心になって、前年の文化祭を終えた時点から、生徒主体で文化祭の構想を練っていく。事前のリハーサルも3回は行うといいます

 4月にはNHKのドキュメンタリー番組『100カメ』で、2022年に行われた筑駒の文化祭が特集された。それほどまでに筑駒の文化祭は特殊で、知名度が高いというわけだが。

今年度は11月3日から5日にかけて文化祭が開催されました。学校関係者以外でも参加できるため、今年は1万8059人が来場。これは過去最多だったと、学校のホームページで発表されています

 多数の客を集め、大成功に終わったと思われたが、文化祭の目玉企画に異変が起きていた。

「10年以上続く企画に『ミス筑駒』というものがあります。これは、男子校である筑駒の生徒たちが女装して、その可愛さを競うコンテスト。文化祭の期間中にステージ審査の場が設けられ、これが目当てのお客さんもいるほど。『100カメ』でもステージの様子が取り上げられていました。

 エントリーした生徒たちは、事前に女装した写真が『ミス筑駒』のSNSアカウントに掲載されて“男性に見えない”“レベル高すぎ”と話題になります。今年もある参加者の写真が話題となって、SNSで拡散されました」(テレビ局関係者、以下同)

 ところが、SNSで多くの人の目に触れた結果、思わぬ声も寄せられたそうで……。

“女っぽさをバカにしている”“白人が黒人を装うコンテストが炎上するのに、これはいいの?”“即刻中止にすべき”という批判の声が出たのです。これを受けてか、1万人ほどのフォロワーがいるミス筑駒の公式X(旧ツイッター)のアカウントは非公開になり、インスタグラムの投稿はすべて削除されました。この対応を嘆く関係者も多いですよ

 企画自体は11月5日の文化祭にて無事に開催されたとのことだが、Xは閉ざされたまま。プロフィール欄には《来年度のミス筑駒にご期待ください!》とあるが、今後の予定はどうなるのか。

 『ミス筑駒』への批判やアカウントの対応について、筑波大学付属駒場中学校・高等学校の担当者に話を聞くため取材を申し込んだところ、

「担当者は不在です」

 と、繰り返すばかり。自由な校風は教職員にも及んでいるのかもしれない。もしミス筑駒がなくなっても、彼らなら新しい目玉企画を思いつくはず!