紅葉シーズン本番!秋に訪れたい観光地として不動の人気を誇る京都と奈良の山々も、深緑の木々に赤や黄色が広がって錦秋の装いに。それぞれのエリアの特徴を名所・旧跡ガイド/トラベル・キュレーターの村田博之さんに伺った。
旅のプロ直伝!必見紅葉スポット
「紅葉の名所の分布を見ると、京都には満遍なく点在し、奈良は市内や桜井市周辺に集中しつつも広範囲にわたる印象があります。
京都では盆地の縁にあたる高雄、鞍馬、貴船あたりが11月中旬に色づき、12月初めまでに市街地へと広がっていきます。真っ赤なもみじの紅葉が多いですが、堀川通などではイチョウ並木の黄葉も鮮やか。
奈良は吉野の山間で11月中旬から色づき、もみじの赤はもちろん、山桜の赤みがかった黄色やオレンジ色も加わってにぎやかな雰囲気の紅葉を楽しめます」
今の時季しか眺められないとあって有名紅葉スポットは混雑必至。できるだけ快適に効率よく巡るための心得は?
「紅葉鑑賞は短期間に人が集中するので、時間も体力も必要です。夜間の紅葉ライトアップなど事前に予約を受け付けている寺院には、早めに予約を入れておきましょう。旅先での時間は有限なので欲張らず、計画段階で行き先を絞り込むことも大切です。
紅葉は寒暖差によって色づきが変わってくるので、現地ではSNSなどでリアルタイム投稿をチェックして見頃の名所があれば臨機応変に変更しましょう」
奈良に比べて道路が渋滞しがちな京都の市街地は、遅れがちなバスよりも電車を選ぶのがベター。例えば京都駅から三千院がある大原までの移動なら、地下鉄で国際会館前まで行ってバスに乗り換えるなど、電車とバスを組み合わせれば時間の短縮になる。
また、名所への移動手段で自然の中を走り抜ける路線の電車やトロッコなどを選ぶと、山に自生する木々の紅葉を眺められて一石二鳥!
「車窓から風景を撮影する場合、走行中に思ったような写真を撮るのはむずかしいものです。まずスマートフォンは、窓に対して斜めに構えてしまうと車内のライトや反射した人影が写り込むので窓にピッタリとつけたほうがいいです。
そしてブレがちな線路近くの紅葉より、線路から少し離れた位置の景色をねらいましょう。夜間は光の量が少なくブレが気になるので動画にするのも一案です」
目に、心に、カメラに色とりどりの紅葉をおさめて秋を満喫したら、それぞれの土地の文化やグルメも堪能♪今回は村田さんとっておきのスポットも教えてもらった。
「京都・奈良の紅葉は紡がれてきた歴史をまとって特別な雰囲気を感じます。天候や葉の色づきも一期一会。ご自身で選んだ旅をたっぷり楽しんでください」
柳谷観音 楊谷寺
山深く広い境内にはもみじが数多く点在し、高低差のある地形のためエリアごとに移り変わる紅葉を鑑賞しやすい。京都市内ほど混み合わずにゆっくりとお参りができ、初めて一般公開されるライトアップも必見!
「眼の観音様として親しまれ、本堂から奥之院までの境内を紅葉が彩ります。特別公開の上書院から見下ろす紅葉は言葉にならないほどの美しさ。季節ごとの花や葉で彩られる花手水も大人気です」
TEL:075-956-0017(営)9:00〜17:00 最終受付:16:30 拝観料通常500円、紅葉ウィーク〜12/1 700円。高校生以下無料