目次
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ー 妊娠と出産の経験がなくても年齢相応に骨盤底筋は弱くなる
Page 2
ー 性交痛や尿漏れは身体からのサイン
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ー 性交の痛みから解放されたという声多数

 

 加齢に伴い、下着の擦れや膣まわりの不快感が気になっていませんか?「デリケートゾーンもハリがなくなり、垂れ下がるせい。老化は顔や肌だけじゃありません」と専門医。注目されているのが、女性器の若返り治療―いくらかければ、あのころの自分に戻れる?

妊娠と出産の経験がなくても年齢相応に骨盤底筋は弱くなる

 年齢を重ねるに従い、性交痛や尿漏れといった女性特有の悩みが出てきた人も多いのでは? “膣のかかりつけ医”を自称する櫻井先生の元へは、そうした女性ならではの悩みを持つ多くの更年期以降の女性がやってくる。

うちの患者様も性交痛と尿漏れのお悩みがほとんどで、割合としては3対7くらいでしょうか。性交痛で来られる方の中には『新しいパートナーとの性生活を楽しみたいのに』という方も意外と多く、悩みは切実です」(櫻井先生、以下同)

 性交痛の一因になるのが、女性ホルモン・エストロゲンの分泌が激減する影響で膣や外陰部が縮んで小さくなってしまう「萎縮性膣炎」だ。

閉経後の女性に多くみられる病気で、萎縮とともに膣の粘膜が乾燥しがちに。ちょっとした刺激にも弱くなっているところに性交などによって膣内に傷がつき、菌が侵入することで発症します。おりものや痒み、ニオイが出たり、膀胱炎を繰り返すことも

写真はイメージです
写真はイメージです

 また、ショーツやタイツが擦れたり食い込んだりして痛みを感じるといった症状も。こうしたことの多くは性器の加齢によって起こる。

「女性器は複雑な形をしており、いちばん外側の『大陰唇』というのは『小陰唇』や尿道、膣口を取り囲んで守るクッションのような役割をしています。お肌やバストと同じで、10代のときはふっくらと張りがあるのですが、30代の後半に入るとだんだんと下垂してきます。更年期以降になるとしぼみが加速して、クッションの役割が低下してしまう。そのために、ショーツやタイツが擦れたり食い込んだりしてしまうのです

 いちばん相談が多い尿漏れの悩みは、骨盤底筋の劣化が大きな原因。それによって尿道を締める力が弱くなり、尿漏れしてしまうのだそう。これは膣のゆるみにもつながる。

「骨盤底筋も例外なく加齢の影響で衰えます。特に妊娠・出産経験がある方はダメージを受けており、出産経験が2回以上ある方や、3500g以上の大きな赤ちゃんを産んだ経験がある方は尿漏れしやすいといわれています。

 でも、妊娠と出産の経験がない方でも年齢相応に骨盤底筋は弱くなっており、更年期でエストロゲンが激減すると、さらに加速。くしゃみしたり、笑った拍子に漏れるという人は多いですが、もっと重症になると普通に歩いているだけで漏れてしまい、いちばん容量の大きな尿漏れパッドを1日に何度も換える、という深刻な方もおられます