■美しい肌と健康を叶える「成長ホルモン」

 ノンレム睡眠中は、もうひとつ特徴的な出来事が。それは疲れを取ったり、肌ダメージを回復するために重要な「成長ホルモン」の分泌だ。

 成長ホルモンは肌の中で古い細胞と新しい細胞が入れ替わる「ターンオーバー」も促進してくれる。成長ホルモンがどれだけ分泌されるかは、睡眠の質が関わっている。睡眠時間が長いのに、肌の状態が思わしくないという人は、より質の高い睡眠を目指してみよう。

 さらに、成長ホルモンにはウイルスや菌から身体を守る効果も。

 WEBサイト「血めぐり研究会」が2012年に行った調査では、よく眠れていない人は、「睡眠の状態に非常に満足している」と答えた人よりも、調査の前年に3回以上、風邪をひいていた確率がなんと7倍! 免疫力アップにも、睡眠が要になる。

ノンレム睡眠とレム睡眠は、90分周期でやってくる。睡眠時間を6時間、7時間30分など、90分周期にすると目覚めが爽やかに イラスト/とげとげ
ノンレム睡眠とレム睡眠は、90分周期でやってくる。睡眠時間を6時間、7時間30分など、90分周期にすると目覚めが爽やかに イラスト/とげとげ
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■本当のシンデレラタイム

 従来は、22時~2時が“お肌のシンデレラタイム”と言われたが、医学的根拠はまったくナシ! 免疫力を高め、美を作る成長ホルモンは、スタート時間にかかわらず眠りはじめの3時間により多く分泌されることがわかっている。

 この3時間をいかに快適にぐっすり眠るかが美しさを左右。22時を目指して焦ってイライラしながら眠りにつくと、せっかくの美肌タイムが逆に台無しに。本当のシンデレラタイムは眠りはじめの3時間である。

■加齢と戦うためにも眠りの見直しを

 また、夜間は「メラトニン」というホルモンの分泌も活発に。このメラトニンは体内時計を調整するホルモンであり、また老化を引き起こす活性酸素を除くパワーが秘められている。

 つまりアンチエイジングにも重要なホルモンなのだが、夜、暗い状況が続くことで分泌されるので、寝る前には明かりを早めに消すことが大切! 暗い部屋でぐっすり眠ることは、健康と美に直結し、老化と戦う強い味方となるのだ。

 記事の後半は、質の高い睡眠をとるための秘訣、眠りのパワーを最大限生かす方法を藤本先生に教えてもらう。