もしかしたら、何度言っても家事を手伝ってくれない、あなたの夫かもしれません。「ご飯がいらないなら電話して」と何度言っても電話してこない、あなたの夫かもしれません。昨夜、酔っ払ってソファーで寝てしまった、あなたの夫かもしれません。
夫についても書いています
だけど私や、きっと同じぐらいの赤ちゃんを持つママたちは、どこかでそんな誰かの夫に助けられています。私は、たくさんの親切に触れ、助けられ、その優しさに、何度涙を流したことかわかりません。なので、この本を読んだ日は、夫に優しくしてあげてほしいです。
私も、どんな形であれ「いつか必ず恩返しをしよう」と心に誓っています。
この本には、私の仕事観や女性のライフスタイルやママ友についても書いています。周りが結婚してゆく中、結婚願望のなかった私が、長いこと仕事に打ち込み、独身生活を続けていたからこそわかることや、遅くに子供を産んだからこその思い、子育て、そして、私の夫についても書いています。
遅く子供を産んでよかったことは、自分が若い頃より大人なことです。それから仕事のキャリアが積めたこと。大好きな仕事を死ぬほど頑張り、たくさんのドラマや映画脚本を書くことができました。
逆に、もっと早く生みたかったという思いもありますが、それは、ずっと娘といたいから。でも、夫と出会い、この時期だからこそ生まれた命なので、そこは贅沢(ぜいたく)かなと思います。
なんだか最近、最後は健康トークになってしまうのですが……やっぱり、娘のためにも、夫婦そろって健康には気をつけて、長生きしたいです。読者の方々にも、この本を読み終えて、「今を楽しんで生きよう!」と思っていただけたら嬉しいです。
渡辺千穂(わたなべ・ちほ)◎脚本家 1972年10月18日生まれ、東京都出身。2002年にドラマ『天体観測』で脚本家デビュー。家族、恋愛、悪女ものなど幅広いジャンルを執筆。代表作は映画『赤い糸』、『さよならみどりちゃん』、『レインツリーの国』、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、ドラマ『名前をなくした女神』、『サキ』、『ファースト・クラス』、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』など。2017年7月よりドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)放送中。プライベートでは、2014年8月にフリーアナウンサーの羽鳥慎一氏と結婚、2016年1月に女児出産。