「説明会の内容は、まず校長の私から謝罪し、事件の経緯、そして今後の対応を説明しました。生徒はすでにニュースで知っていたようで、とりわけ飯田先生が担任していた3年生のクラスの生徒は沈鬱で、下を向いて暗い表情で聞いていました。
担任が逮捕されたショックと、飯田先生は進路指導もやっていましたので、その先生が代わってしまうという不安や動揺があった。それで精神的なケアとしてカウンセラーも設置したのです」
と、同校の校長。
影響はそれほど甚大なものには至らず、8月25日から2学期がスタートしている。
飯田容疑者は同高商業科で商業科目を教えており、女子バレーボール部の顧問を務めていた。商業科目の先生は新たに県から派遣された。かたやバレー部は顧問の逮捕で大会などへの出場を危ぶむ声もチラホラ聞かれたが……。
「いえ、高体連からは“生徒に罪はないので対外試合や大会への出場は問題ないですから”と言われておりますので、それは大丈夫です。コーチの先生は以前からほかにもいますし、どちらかといえばそちらの先生がメインでやっておりますので、それほど影響はないと思います」(同校長)
それにしても、なぜ、覚せい剤に手を染めるようになったのか。犯行動機に心当たりがないか学校側に尋ねると、
「比較的に活発な先生でしたが、とりわけ不審な点とか、問題のある先生ではなかったんです。進路指導などのストレスですか? いや、それはほかの先生にも教えることのプレッシャーやストレスはあるわけで、飯田先生に限ったことではありませんから。いったいどうしてなのかはまったくわからないんですよ」
と校長は唇を噛むようにして話した。
飯田容疑者の人事権を持つ広島県教育委員会に聞いた。
「覚せい剤を使った理由ですか? それはなんとも……。大阪の研修については、少なくとも教育委員会などの公的なものではありません。おそらく商業科目か部活動関係ではないでしょうか」(担当者)
教師としての処分はどうなるのか。
「処分指針では、覚せい剤の使用は懲戒免職に該当します。執行猶予云々といった裁判の結果とは別です。もう少しして面会できるようになったら、飯田先生本人に使用の事実や動機を問いただしたうえで、協議を経て決めることになるでしょう」(同担当者)