「藤吉は気持ちのぶつけ方がストレート。行動力のある男で、見ていてとても気持ちがよくて、わかりやすいんです。細かいことや後先のことを考えずに、まっすぐ進むタイプですが、それが彼の魅力だと思います」
朝ドラ『わろてんか』で、ヒロイン・てん(葵わかな)の“相方”藤吉を演じる松坂桃李(29)。藤吉の魅力についてこう語ったが、それは自分にもあてはまる?
「何か大きいことをやろうとか思っても、ちょっと怖くなって一歩を踏み出せなかったり、言えなかったりすることが多いです。藤吉はそんな怖さをはねのける強い勇気があるから、男としてうらやましいし、カッコいいですよね」
全国を渡り歩く旅芸人一座のひとりとして、てんと運命的に出会った藤吉。松坂はこの役で芝居のみならず、芸にもチャレンジ。
「傘を回して、その上に升をのせてグルグル回す太神楽をやると聞いたときは、“さすがにそれはできません”と言ったのですが……(笑)。ハードルの高いお願いをもらったときは、役者冥利(みょうり)に尽きるとは思いますけどね」
藤吉は売れっ子の芸人だと自分を偽って、てんと8年間の“遠距離恋愛”を続けた。忘れたころに届く手紙に、てんはときめいていたけど、
「演じていて、手紙の力の大きさは感じました。彼女を笑わせたい、という気持ちが、手紙を書き続けることでさらに強くなり、自分の気持ちを濃くしていく効果があるのかな、と」