香りとの付き合い方
アロマオイルやお香、香水を使って、上手に香りを利用してみましょう。職場でアロマなどをたきにくいという方もいらっしゃるかもしれません。そんな時でも大丈夫。香りを楽しむ方法は1つではありません。
ラベンダーやタイムの小さな鉢をデスクに置いてみましょう。また、おしゃれの一環としてハンカチにアロマオイルを一滴垂らすのもおすすめです。最近では車の中やホールなどの公共スペースでも、アロマの香りを出すようなデバイスが開発されています。森林浴などでも森の香りを感じることができ、科学的にその効果も実証されつつあります。
「笑顔をつくる」から楽しくなれる
次は「笑顔」の効用です。イライラしているときこそ、笑顔をつくりましょう。
「だから忙しくて それどころじゃないんだって」
そんな意見もごもっとも。楽しいから笑う、嬉しいから笑顔になると考えるのが普通です。ところが、どうもそうではないらしいということが近年の実験結果から明らかになってきています。
独オット・フォン・ゲリーナ・マグデブルグ大学のミュンテ博士らは、箸を使った実験で「笑顔に似た表情をつくるとドーパミンの神経活動が変わる」ことを発見しました。
箸を縦にして唇でくわえると鎮痛の表情、横にして歯でくわえると笑顔と似たような表情筋が使われます。すると強制的に笑顔に似た表情になります。ドーパミンの動きに変化が見られたのは後者の箸を横にしてくわえたときでした。
ドーパミンは脳の報酬系で快楽に関係した神経伝達物質です。このことから、楽しいから笑顔をつくるというより、笑顔をつくると楽しくなるという逆因果があるということがわかります。
また、箸を横にくわえていくつかの単語を「楽しい」と「悲しい」のどちらの感情に 属するかを分類していくと、楽しい単語を認識するまでの時間が悲しい単語を認識する 時間よりも短くなることもわかりました。つまり、笑顔には、楽しいものを見出す能力 を高めてくれる働きがあるのです。
終わりに
忙しくて焦っているとき、なんとなくカリカリしているなと感じたとき、自分の意思だけでうまく処理するのは難しいことです。そんな時は、自分の好きな香りを用意したり、意識的に笑顔を浮かべてみてください。香りの心地よさは感情の心地よさです。
顔の表情を変えることは感情のバランスを変えることです。自分が「心地良い」と感じる香りを嗅いで上手に気持ちの切り替えを行い、意識的に笑顔をつくることで心に余裕を持ちましょう。そうすれば仕事のパフォーマンスも自然と上がり、快適な毎日を過ごせるはずです。