午後6時半だ─。

「見て! 僕、全部食べたよ!」とうれしそうに空の食器を見せてくる男の子。持参した食事を食べている女の子に、「ちょうだい!」という男の子。2人の保育士の先生が優しく諭しながら食事の面倒を見ている。

 午後8時半─。

 パジャマに着替えた子どもたちが、先生が敷いてくれた布団で寝始めている。まだ起きていて、モソモソしている子も……。ベビーベッドの中にいる子もいる。

 午後9時を過ぎたころ。

「いい子にしてた? ママ帰ってきたよ」と、穏やかな表情で保育士さんからわが子を受け取る女性。反対に、幼児を預けに来た女性も。

夜の託児所を必要とする人は多い

 ここは新宿にある24時間・夜間対応の託児所『キッズパラダイス』だ。

「夜間は1日平均5〜10人ほどの子どもたちを預かります。月極めだけでなく、緊急の預かりにも対応しています」と話すのは園長の吉延舞さん。

「預けている親御さんの職種は本当にさまざまです。飲食店を営む自営業の方、従業員さん、夜間勤務の看護師さんやマスコミ関係など、多岐にわたります。昔から夜間の託児所を必要としている方は多いんです」

 現在、夜間保育の現場にフォーカスを当てた『夜間もやってる保育園』(監督・大宮浩一)というドキュメンタリー映画が話題になっている。