「どうして今治市民の税金を使ってヨソの業者を儲けさせないといかんのか。安倍首相が疑惑を責められていても工事は止まらんかった。もし認可が下りなかったら森友学園の小学校の二の舞いになっとった」(森代表)
ちょっとした観光名所に
今治市は加計学園に大学用地を無償提供するほか、施設整備費として最大96億円を供出するとしている。
同市選出の愛媛県の福田剛県議(民進党)は「そのうち32億円は誰が出すか決まっていない」と打ち明ける。
「市は最大64億円までしか出さないと市議会答弁で約束しており、残りは愛媛県に出してもらうつもり。県は加計学園を支援するつもりはないが、県と友好関係にある今治市を支援する気はあるというスタンスです」(福田県議)
愛媛県民の血税が今治市を経由して加計学園につぎ込まれるのであれば、結局、同じことではないか。
福田県議は、
「今治市長は認可が下りると自分のことのように“ありがとうございます!”と喜んだ。市の公共事業ではないのに。今治市では小学生の医療費が有料なんです。小・中学生で無料化している自治体もあるのに予算をつけない。もっと福祉にお金を回すべきです」
と訴える。
同県議によると、市民は獣医学部新設について「ようわからん」「勝手にやっとる」などと思いつつも、表立って怒りの声をあげる人は少ないという。自虐まじりにこんな話をしてくれた。
「もともとはタオルと造船の街ですが、“加計学園の今治市です”と言えば通りがよくなった。以前は『いまじし』と誤読されることもあったけれど間違える人が減った。
獣医学部が新設される学校用地は山の上で、人が寄りつかない場所なんですが、いまはちょっとした観光名所です。せっかくだから……と県外から見に来る人もいる。少しでも地元にお金が落ちるのであれば大歓迎ですが……」
と福田県議。
シュールすぎて愛想笑いもできなかった。
最終的に獣医学部新設を「可」と答申した設置審は、3月に加計学園の認可申請を受けてから実習計画の不十分さや高齢の教員が多いことなどについて“ダメ出し”をしてきた。