「'16年の理事長選で、うちの伊勢ケ濱親方(元旭富士)は唯一、貴乃花親方に票を入れている。つまり、親方同士で話ができない仲じゃないんです。確かに手を出した日馬富士は悪いですが、いきなり警察に被害届というのもどうなんでしょうか? 親方と横綱はかなり驚いていましたよ」(同・伊勢ケ濱部屋後援者)
その後、伊勢ケ濱が貴乃花へ謝罪を申し込むが梨のつぶて。11月11日に行われた緊急理事会の席で伊勢ケ濱が謝罪しても、貴乃花は表情を変えず無視していたという。
「9月場所で優勝し、日馬富士は連覇に向けて今場所も気合が入っていました。しかし貴ノ岩との一件がおさまらないことで、福岡に来てからは稽古に集中できてなかったですね。
場所前の激励会でも、ずっとウーロン茶を飲んでいて、話しかけても心ここにあらずといった感じでしたよ」(同・伊勢ケ濱部屋後援者)
暴行が起こった直後は、伊勢ケ濱サイドは事態が収束すると思っていたのは間違いないだろう。だが、その後の貴乃花の行動には、思わず首をかしげたくなる。
「貴乃花側が提出した診断書が警察に出したものと協会に出したものが違う。しかも協会へ出した症状が重いほうの診断書を書いた病院は“頭蓋底骨折と髄液漏れは、双方ともに疑いである”とし、“重傷であるように報道されていることに驚いている”とコメントしているんです。
となると、貴ノ岩を休場させた際に“頭が割れている”としていた貴乃花親方の言葉は何だったんだという話になりますよ」(前出・スポーツ紙記者)
理事長への不信感
なぜ、貴乃花は和解に否定的なのだろうか?
「昨年の理事長選に出馬した際も、貴乃花親方は相撲界の改革を訴えていました。特に'07年には、時津風部屋で新弟子が暴行で死亡するという痛ましい事件が起きており、協会の透明化を望んでいた。今回の件も協会へ報告する前にまずは警察へ被害届を提出し、大ごとにしたかったのでしょう」(相撲ジャーナリスト)