とはいえ、貴乃花は巡業部長の役職に就いている。被害届と同時に協会へ報告する義務もあったはずだ。
「もし、協会へ報告すれば、場所前でもあり調査をうやむやにされると思ったのでしょう。それ以上に、貴乃花親方は協会執行部、特に八角理事長(元北勝海)への不信感が大きい。彼としては、少しの不正や隠ぺいも許さないという思いがあるのです」(貴乃花部屋に近しい人)
そんな、孤独な戦いを繰り広げる貴乃花を支えているのが、8歳年上のおかみさんである景子夫人だ。
「相撲の四股をエクササイズに生かした『シコアサイズ』など、景子さんの提案で始めたことは多い。親方のファッションや髪型なども、おかみさんの言いなりですからね。今回の騒動についても、彼女が立ち回り方をアドバイスしているかもしれませんよ」(前出・相撲ジャーナリスト)
都内の自宅から車で出てきた景子夫人を直撃取材した。
─すみません、貴ノ岩関のケガはどうですか?
「申し訳ないです。話せないんです……」
と、車のウインドーを開けて笑顔を見せる。
─親方に何かアドバイスされてますか?
「本当にすみません」
と言い残すと走り去った。
「日馬富士は引退勧告も覚悟していますが、このタイミングで公になってよかったのは、子どもの小学校お受験の合格発表のあとだったこと。11月上旬に発表で、その前だったら合格を取り消されたかもしれませんからね」(前出・スポーツ紙記者)
ちなみに、その学校は貴乃花の子どもたちが卒業している。
“平成の大横綱”と言われた貴乃花は、これから土俵の外で、どんな取組を見せるのだろうか─。