陽子係長の職場評は「面倒見のいい、優秀な職員」で、部下からの信頼も厚かった。一方、進藤副主査も「まじめな職員」と評判。

陽子係長の逮捕

 別れるチャンスはあったという。何度となく、別れ話を切り出したのは陽子係長のほうだった。

「自分の家庭や副主査の奥さんのことも考えて、関係を清算しようとしていた。しかし、別れたくない副主査はそのつど、行為中の写真や係長の裸の写真をSNSで送りつけた。それをバラされるのが怖くて従っていたようです」(前出・職員)

 リベンジポルノをにおわせ性的関係を続けさせる。

 別れていれば、情事はそのまま過去のものになり、事件になることもなく終わっていただろうに、副主査の未練が事態を悪化させてしまった。

 しかし、別れ話を切り出したはずの陽子係長もまた心の底では進藤副主査への思いを断ち切ることはできず、あろうことか嫉妬の矛先を副主査の妻・美樹さんに向けたというからひどい。

 誹謗するビラをまいたり、手紙を出したり、無言電話をかけたり……。ついに不倫は陽子係長逮捕という結末を迎える。

 逮捕までの流れを、前出・職員が明かす。

「昨年6月、美樹さんから“嫌がらせを受けている”と相談がありました。誹謗中傷する文書が自宅や同じマンションのほかの部屋のポストなどに何度も投函されており、職場に届いたこともあったと。

 確認できているだけで10通ほど。過激な筆跡で書かれたものやパソコンで打たれたものなどがありました。

 美樹さんは今年春、兵庫県警芦屋署に被害届を提出し、警察がマンションの防犯カメラを調べたら、なんと陽子係長が映っていたそうです」

 今年4月、県迷惑行為防止条例違反(嫌がらせ行為の禁止)の疑いで陽子係長は逮捕され、5月に罰金30万円の略式命令を受けた。