『M―1グランプリ2017』(テレビ朝日系)の審査員・上沼恵美子がネット上で話題になっている。
ことの発端は、上沼が2組のお笑い芸人に下した評価だ。
9位のカミナリは“どつき漫才”を売りにするコンビ。上沼は前大会で、
「頭を強く叩きすぎて、引いちゃうお客さんがいる」
と、苦言を呈し、評価が低かったが、今回は90点という高得点を与えていた。ただ、
「完成度は高かった」
と評価しながらも、
「叩いて笑いがこない。あの“どつき”はいるんやろか。これ(どつき)なしでも笑いは来ます」
と公開指導。これに対してネット上では、カミナリファンが
「カミナリの芸を否定するのか」
「ドツキがなくなったら勢いがなくなる」
などと彼女に反発。しかし“どつき”に対して否定的な意見も多くみられ、
「半世紀も前になりますが正司敏江・玲児に代表される“どつき漫才”が流行ったことがありました。
しかし今は、いじめやパワハラなども含めて暴力は完全否定される時代です。見ていてイヤな気分になる人も多く、彼らに嫌悪感を抱く人もいるでしょう。
せっかくネタが面白いんですからそれは残念なことです。上沼さんの寸評は的を射たもので、また彼らに対する叱咤激励の気持ちがにじみ出てたと思います」(スポーツ紙記者)
最下位だったマヂカルラブリーに対しては、特に辛辣だった。
司会の今田耕司に感想を求められると、
「ごめん、聞かないで」
と、まるで感想を言うまでもないというそぶりを見せながら、
「(審査員が)好感度を上げようと思ったら、審査員もいい点を付ければいいと思うんですけど、でも、本気で挑んでるんで、みんな。本気で私も挑んでます」
厳しい表情でこう言い放った。これに対してマヂカルラブリーが
「こちらも本気でやってるんですが……」
と言うと、彼女は、
「本気でやってるっちゅうねん! こっちも!」
と激昂。
「一生懸命頑張ってる。頑張ってるのはわかるけど、好みではない。よう決勝残ったなと思うて」
このコメントに、
「怖い!」「言い過ぎ」「きつい。かわいそう」
などとネット上では、上沼を批判するような意見が殺到した。
しかし、関西の人からは、
「大阪では普通やん」
「毎回あのノリですよ」
と好意的な意見も多かった。
関西の“女帝”と呼ばれ、絶大な人気を誇る上沼。
「彼女の笑いには皮肉があり、政治や社会的な話でも笑いに変えて世相をぶった切る痛快感があるんです。
オバちゃんたちの代弁者としてみんなに愛されています。あの話芸は誰にもマネできないでしょう」(芸能レポーター)
今回のコメントに対しても、
「あれは上沼さん独特のいじりで、マジで怒っているわけじゃないです。本当にダメなときは、ああいう言い方はしない人ですから。
関西の人はみんなわかっていると思いますが、関東の人は慣れていないのでわからないと思いますし、関西弁にアレルギーのある人が多いので、キツいと取られるのでしょうね」(在阪テレビ局関係者)
コンテストの審査という点を考えてみると、海外のオーディション番組などではケチョンケチョンにけなされることも多く、
「80年代に放送されていた『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)ではかなり厳しい審査がなされて、“ぜんぜん面白くない”などと酷評されるのが普通でした。
視聴者もそれを楽しんでいましたから、当時を知っている人はM―1の審査は緩いと感じるでしょう。彼女の“好みではない”という言葉には実は愛があると思いますね」(前出・芸能レポーター)
酷評は“愛のムチ”?