『ももいろクローバーZ』の有安杏果が1月21日に開催されたライブをもって芸能界を引退した。その理由は、
「22年間、芸能活動をしてきた。普通の女の子の生活を送りたい」
ということだったが、どこかで聞いたことがあるなと思った人も多いはず。
年配の人なら誰でも知っているといっても過言じゃない。'77年、キャンディーズが解散を発表するとき発せられた言葉とよく似ている。だが、実は似て非なるものなのである。
有安は、
「普通の女の子の生活を送りたい」
キャンディーズは、
「普通の女の子に戻りたい」
だった。
有安は現在22歳。ということは生まれてすぐに芸能活動を開始したことになる。つまり“普通の女の子”の生活をしたことがないのだ。
「『ももクロ』の活動自体は8年間ですが、0歳の時に雑誌の赤ちゃんモデルで芸能界デビューをしています。その後も途切れることなくタレント活動をしていました」(芸能プロ関係者)
1度でいいから“普通の女の子”の生活をしてみたいという気持ちはよくわかる。たしかに彼女は大学に通ってはいたが、“普通”の学生生活とは程遠いものだったに違いない。
これからの彼女の生活は、普通の女の子が芸能界に入って感じることより、はるかに刺激的なものになるだろう。
そこで気になるのは、彼女が再び芸能界に戻ってくることはあるのか。
「言い古されたことですが、1度スポットライトを浴びたら、浴び続けたいと思わない芸能人はいないでしょうし、辞めても再び浴びたくなる人は多いです。ライトが強烈なほどその傾向は強いです。今まさに彼女たちはトップアイドルとして脚光を浴びているわけですから」(芸能レポーター)
芸能界の引退は本当の引退ではないといわれる所以である。ただ一方ではこんな話もある。
「昔は、結婚や不祥事を犯して引退せざるを得ない場合を除いて、人気絶頂のときに引退する芸能人なんていませんでした。それは、一旗揚げたいと思って芸能界に入った人ばかりだったからです。でも今はそんな人ばかりじゃないです。
特にいまの若いアイドルは、自分の人生をよく考えています。大学に通ったり、資格を取ったりして、芸能人じゃなくなったときのことを考えて活動してますね」(前出・芸能プロ関係者)
この時代、スターやアイドルは目標ではなく、人生の通過点となのだ! とはいっても、ファンは有安の復帰を願っているのだが。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。