《今回の香奈という役は、自分にとって大変大きく今までにない挑戦になります。難しい所もあると思いますが、監督と、共演の方々と共に、自分に無いものと在るものを含めて、最大限に楽しめればと思います》
3月上旬の昼下がり、都内にあるオープンカフェには憂うつな表情をした黒木華の姿があった。この日は、来年公開の映画『来る』のロケ撮影で、黒木が“来た”のだ。
「主演は岡田准一さん、脇を固めるのも小松菜奈さん、妻夫木聡さん、松たか子さんという豪華キャストがそろったホラー映画です。
ある日、妻夫木さんが演じる田原秀樹と黒木さんが演じる妻の香奈のもとに謎の訪問者が現れ、取り次いだ後輩は謎の死を遂げる。2年の月日が流れて、また不可解な出来事が起こり始め……という謎めいたストーリーです」(スポーツ紙記者)
冒頭のコメントは、映画の公式ホームページで黒木が語っているものだが、どことなく不安が感じられる。この日、浮かない顔をしていたのも、これが理由なのだろうか─。
「いえ、役作りもあるでしょうが、中島監督からのムチャぶりを恐れているのかもしれません(笑)」(映画ライター)
そう、本作の監督を務める中島哲也氏は“鬼監督”と呼ばれるほど厳しい演技指導で役者を追い込むことで有名だ。
「映画『嫌われ松子の一生』で主演した中谷美紀さんは、中島監督に“女優を辞めろ!”と罵倒されて、転職しようかと考えたほどです」(前出・スポーツ紙記者)
中島氏はCMディレクター出身で、ビジュアルにも強いこだわりをもっている。
この日も通行人役のエキストラにカフェ前の歩道を何度も行き来させていた。
「画作りにも厳しい方なので、撮影スタッフに対してもなかなか首を縦に振らないようです」(映画配給会社関係者)
降りしきる雨の中、さらにホースで水をまいて、どしゃ降りにする演出も見られた。
「彼女はこれまで芯の強い日本女性を演じてきましたが、役に対して真摯に向き合える人。今回も監督のムチャぶりを圧倒的な演技力で乗り越えてくれるはず」(同・映画配給会社関係者)
映画の公開日が、早く“来て”ほしい!