キムラ緑子も朝ドラで注目を浴びた脇役のひとり。『ごちそうさん』での主人公をいびる小姑役が見事だった。
「最高ですね。しゃべっているだけでパワーがあるし、美人の顔じゃないのがいい。そのほうがいろいろな顔になれるから。美人は役が限定されるし、何もしないことを要求されがち。キムラさんのようにさまざまな役の立場になれる人は幸せですね」(飯田氏)
どんな役にも染まれる
漫画の実写化が多い今、これから重宝されそうなのが、木南晴夏だ。
「この子はまさにバイプレーヤー。現在、漫画が原作の『海月姫』で枯れ専のオタク女子・ジジを演じています。コメディーが上手ですね。映画『20世紀少年』の小泉響子という役で原作にそっくりと言われ、評価を得たんです。漫画原作ものには使い勝手がいい役者さんですね」(前出・芸能プロ関係者)
『相棒』(テレビ朝日系)や2時間ドラマによく出演している羽場裕一は、飯田氏が「脚本を読んで、それ以上のことをやってくれる俳優」と絶賛。
「いろんなアイデアを出し、いろんなパターンを演じて、監督にどれがいいかを選ばせてくれる。6月放送のドラマ『アイアングランマ2』(NHK)でも重要な役どころをお願いしていますね。主演の大竹しのぶさんの演技を上手に生かしてくれている。大御所の役者さんとのパイプにもなってくれるんですよ」(飯田氏)
演じられる役の幅が広いといわれるのが長谷川朝晴。『ドクターX』(テレビ朝日系)などに出演していた。
「どんな役もできる方です。大河『真田丸』で伊達政宗も演じていました。誠実そうな役もできるし、キレものもできる。ニュートラルな顔をしているので、表情で怖さも弱さも表現できる。中肉中背なのもいいですね。荒川良々さんと同じで、どんな役にでも染まれる感じがあります」(前出・ドラマ助監督)
平岩紙は、『ファブリーズ』のCMでのお母さん役が代名詞。そう聞くとパッと頭に浮かぶ特徴的な顔をしている。「彼女は“ブスと美人の境界線上にいる”と評される絶妙な顔。ブス役も美人役もできるという稀有な顔つきなんです。この振り幅がある女優はほかにいないんじゃないかな」(前出・テレビ誌ライター)
一方、美人だけど苦労していそうな顔で重宝されるのが奥貫薫。放送中のドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)でも、行方不明になった息子を探す母親役を演じている。
「顔の感じからなのか、幸が薄い役がハマりますよね。西田尚美さんも同じラインに当てはまるかもしれません。どのドラマにも薄幸な役は必ず1人はいるから、配役されやすいのかもしれませんね」(前出・ドラマ助監督)